ジャカク(甘/W7以前)
それは、まだCP9の4人が潜入任務につく前のこと。
その頃は、この2人も仲が良かった。
「のう、ジャブラ」
「‥‥何だよ?」
いつものように、自室で1人晩酌をしていたジャブラ。
そんな時、ぎぃと扉が開いて、入って来たカク。
さして気にする様子もなく、ほぼ勝手に入室し、こちらに近付いてくるカクを見る。
「のうジャブラ」
「だから何だっつの?ハッキリ言えよ、気持ち悪い」
「明日、出発なんじゃよ」
「‥‥‥へぇ」
何が言いタイのかを何となく察したジャブラは、わざと素っ気なく返事をする。
まったく何を甘えているのだろうか。戦闘能力はオレに負けるとも劣らない(動力はもちろんオレの方が勝るが)くせして。
「冷たいのう、ジャブラ」
本日何回目かの呼名に、少しだけドキリとして。
何故かコイツがいつもと違う様子だから、きっとこっちまで可笑しくなっちまったんだ。
多分。きっとそう。
「不安だ、とか言うんじゃねェだろうな?」
「‥‥‥‥」
「大丈夫だよ。ルッチ達がついてるだろ」
俯いたままの彼に、こちらが不安になってしまい。
「おい、カク?」
「‥‥そうじゃな‥」
「あ?」
「皆がついとることだし、大丈夫じゃよな!」
急に元気になったカク。
何だかよくわからないが、まあ良かった。
たった5年。
その5年が不安なのは、オレだって同じだ。だが心配したところで何が変わる訳じゃなし、ここで待ってることしかできねェんだ。
(ああ、クソ)
なんか、調子狂うよなあ。
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