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×ルチ(花魁パロ)
※キャラ崩れ多々あり
※ルッチがご指名No.1花魁

























その人と出会ったのは、どこか月が綺麗な夜。

汚れた自分の血が、騒ぎだすような。










「カク、ご指名だぞ」

「了解じゃ」



会話の途中、馴染みの客に呼ばれたらしいカクが席を立った。それは仕方のないことだが、話し相手がいないというのはどうにも面白くない。お付(所謂マネージャー)のゾロは相変わらず無口だし、こちらを見張っている様子ですらある。きっと店主のサンジからオレを監視するようにとでも指示があったに違いない。まったく、1番人気というのも楽じゃないな。





「喉が渇いた」



そう呟けばあっさりと飲み物を取りに行った。いや、確か戸の向こうに人の気配がしたから、そいつにでも頼みに行ったか。どちらにせよ、3分以内には帰ってくるのが普段からの決まりだった。










「お好きなのを」

「‥‥今日は、暇なのか」



丁寧に差し出されたグラスと飲み物の数種類。その中から赤ワインを受け取る。酒を飲ませてもらえるのは、客といる時か客が来そうにない日、もしくはオレにとって嫌な客が来る前だけだ。最後の理由は避けたい、そう思ったとき。





「今日は、スパンダムさんが。予約の時間より少々遅れているようですが」


悪い予感は当たるものだな。

思わず口に出せば呆れたような溜息が。



「あの方は貴方の一等客ではないですか」

「‥‥金はな。精神的には最も来て欲しくない」

「そんなこと言われては‥」

「わかっている。お前の大好きなサンジには迷惑かけねェよ」



吐き捨てた。嫌そうな態度は返ってこない。オレの機嫌は出来る限り損ねないようにしているのだろう。当然だ。





「そろそろ、来る頃かと」

「‥‥黙ってやることヤって、さっさと帰ってくれれば最高の客なんだがな」


渋々立ち上がり、自分の持ち部屋へと移動する。一応見た鏡に、窓の外が映っていて、見ない顔が目に入ってきた。

なかなか、好みかもしれない。





どうにも愛想のないお付き兼用心棒に急かされ、つい見とれた外界の男に胸中でサヨナラを告げた。





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