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憎悪、嫉妬、一握りの愛情
(バルジャ)





嫌な感じだ。

口の中は血の味がするし、何より縛られている手首が痛く足枷の鎖についている鉄球が重くて仕方がない。



カツ‥コツ‥カツ‥‥コツ。

すぐ傍で止まる足音。誰のものかは、見なくてもわかる。

「ジャック‥‥着いたぞ、お前の島に」
「へぇ‥嬉しいねぇ、島を丸々1つ頂けるなんて」

皮肉たっぷりに言うと、嫌な笑みを浮かべた彼が牢の鍵を開けて入ってくる。

「アンタは馬鹿だ。ジャック・スパロウ」
「光栄だよ。バルボッサ君」

目なんか、合わせてやらない。視線はずっと冷たい床へ。

そんな俺の態度に腹を立ててか否
か、バルボッサは俺の顎を掴んで
自分へ向かせた。床よりももっと
冷たい視線が絡まる。


「随分身体が冷えているようだ。‥‥温めてやろうか」
「やめろ。放せ」


段々と近付いてくる唇から目が離
せなかったのは俺の方だった。


「うッ‥ん‥‥っ‥は、ぁ‥‥」
「大人しく従えば、島に置き去り
になどしないというのに」
「死んでも断る」

断る。こいつの下にいたら、頭が
どうにかなっちまう。

狂わされる。
この男の手で、声で、全てで。





「じゃあな、ジャック」
「あぁ。また会おう」


わざと笑って言ってやった。

すると気に食わなさそうに銃を一
丁、こちらへ投げて寄越す。


「わかってるな?玉は1つだ。せ
いぜい頑張るんだな」





船が遠ざかる。もう戻っては来ないだろう。

俺は死ねない。



あの男の息の根を、この手で止めるまでは。





(コメント)
バルジャ。バルスパ?
‥‥言いづらい(苦笑)

ジャックの一方的な悲恋。でも彼
ツンデレラ(笑)だからー‥‥。

素直じゃない受。冷たい攻。
これじゃ上手くいくはずもない。

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