青空向かって 高らかに笑おう(7組) いー天気だなあ。向かい側で弁当を食べている花井が呟いた。横にいた水谷もこくこく頷いて同意する。ごくん、と弁当のハンバーグを飲み込んだ。 「やっぱり屋上に来て良かったでしょー」 天気が良いから屋上で食べよう。そう提案したのは水谷だった。自慢げに胸を張って、どうぞオレを褒めてくださいとばかりに笑みを浮かべる。 「ああ、クソレでもたまには役に立つんだな」 「水谷なのに良い発案だったよ」 オレと花井の台詞に、一変してがくっと頭を垂れた。こうなるとしばらくウザレフトとなるので花井に視線を移す。 「花井、まぬけな顔してる」 「‥‥もうちょっと他の言い方ないのか」 「んじゃアホ面」 むっとした花井がこちらを向く。ぽかぽかしていて眠かったのだろうが、それ以外に言いようがなかったのだから仕方ない。 「そんな顔してっとモテねえよ?梓ちゃん」 「余計なお世話だ。あと名前呼びやめろ」 「‥‥水谷」 ムキになっている花井は気にせずバカレフトを呼ぶ。奴はこんな時だけ勘が鋭いのか何なのか、すぐ立ち上がってこちらに来た。 「‥‥え、これどういう状況?」 後ろは水谷、前はオレと挟まれた花井が困惑した表情を浮かべる。 「やっぱ、笑顔だよなあ水谷?」 「そうだねえ、阿部」 「ちょ、待っ‥‥ぎゃははは!!」 前後から擽られて、笑いながら泣く花井。しかしオレが馬乗りになっているため逃げられず、逃がす気もない2人のされるがまま。 暖かい日差しに誘われて、僕等は今日も笑顔です。 +−+−+− そのうち9組も来て大変なことになります(笑) [*Back][Next#] [戻る] |