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君と僕との関係(花阿)





〜♪〜♪〜♪〜


部活から帰って、風呂と飯を済ませ自室に戻ってきた、その時。

携帯の着信メロディが流れていたことに気付いて慌てて机から取り上げると、ぴたりと止まった音楽にさらに慌てる。


(誰だ‥‥?)


着信履歴を見るとそこには、クラスメートでありチームメート、そして恋人の名前が。
それも、1度ではなく3回。



(何だろ、阿部‥‥)


首を傾げると、再び着信音が鳴った。ビクッと過剰に反応してしまった自分に苦笑する。発信元はもちろん。





「もしもし、阿部?」
「‥‥あ、花井」
「おう、どした?」
「遅えよ、バカ」
「ごめんって」


いつものように憎まれ口を叩く彼の声が少し掠れ気味だったのを、花井は聞き逃さなかった。
それは泣いているようにも聞こえたが、敢えて気付かないふりをして続きを促す。


「‥何で電話してきたんだ?」
「‥‥‥‥」
「黙ってたらわかんない」
「‥‥花井さ、」
「うん?」
「最近、投球練習、してるだろ」
「ああ、してるな」
「‥‥投手、狙ってんの?」


相手を宥めるように、努めて穏やかに返事をしていると突然の問いに言葉を詰まらせた。

だって、その声があまりにも切なくて仕方なかったから。


「‥なんで」
「‥‥‥ごめん、花井」
「何で謝るんだよ?」
「オレさ、花井が投手になれば良いな、って思ったんだ」
「うん」
「そしたら2人でバッテリー組めるだろ」
「まあ、そうなるな」
「それは、すごい嬉しい‥けど」
「けど?」


そこで阿部は一旦間を置いた。
下手に先を催促しても仕方がないから、黙って次の言葉を待つ。





「けど、やっぱり、うちのエースは三橋なんだよ」


ごめん、と謝られて、ひどく複雑な心境になる。しかし、ふと耳に入った阿部の声にドキリとした。



「泣いてる、のか」
「‥だっ‥て、オレ、訳わかんなく、って、‥花井、電話出ねえし‥‥」
「そんなに気にすることないよ、オレだって三橋のが投手向きだってわかってる」
「ごめ、花井、ごめん‥‥」





すっかり本泣きに入ってしまった恋人に、今は宥めることだけに徹しようと決めた花井であった。






(なあ阿部)
(うちのエースは三橋でも、お前の恋人はオレなんだろ?)


だったらオレは、今のまま、捕手と外野手のままで良い。





+−+−+−
フリリクの花阿でした。

泣きながら花井に電話する阿部が書きたかったんです。捕手と外野手って遠いなと思いまして。

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あきゅろす。
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