My PresentA(紫ver.)*
「紫ね、ハイどーぞ!」
手渡された瓶をまじまじと見る。
見れば見るほど怪しい色だ‥‥。
でも、今更後には引けない。
「‥‥んっ」
「お、いい飲みっぷり!」
「うっさ‥‥ぁ、?」
ドクン。
「どうしたの?」
心配するような口調とは裏腹に、消えない田島の笑顔。
ドクン。
顔が、身体が熱い。心臓の音が脳まで響くようで、頭が上手く働かない。酸素を取り込むので精一杯だった。
ドクン。
「たじ、まぁ‥‥」
ドクンドクンドクンドク、ン。
「花井だいじょーぶ?」
「っや、ああぁ‥‥ッ!」
田島の指先が頬を撫でたその時、大きくオレの身体が揺れた。突然のことで思考が追いつかない。
「もしかして、イっちゃった?」
「え‥?‥‥あっ‥‥」
指摘されて初めて、まだ脱いでいないままの下着の違和感に気付いた。
「1本まるまるは強すぎたかな」
ただでさえ鈍くなっている頭に羞恥心が加われば田島の言っていることも耳を通り抜けるだけで、下着ごとズボンを脱がされるのにも抵抗できず。
呼吸が自分のものじゃないみたいに速くて、怖くなって夢中で田島に縋り付いた。
「花井、可愛くてエロい」
「たじっ、も、やらあ‥‥」
身体が燃えるように熱くて、田島の手が触れたところ全てが疼く。
気付けば、先程イったばかりだというのに自身からは先走りが零れ始めていて。
「苦しいの?」
「あ、ぁあ‥‥っ」
「どこが苦しー?」
「ここ、たじま‥‥!」
舌が回らない。上手く伝えられないのがもどかしくて、田島の手を掴んで自身に触れさせた。勝手に腰が揺れる。
「わ、びんびんだ。ここまだ触ってなかったよな?」
「らめ、言っちゃ、っあ」
いつもだったらこんなこと言わないし、しない。それでも、今オレの思考を支配している熱には勝てなくて、恥なんてとっくに捨てていた。
「どうして欲しい?」
「っ、たじま、たじ‥!」
「ちゃんと言わないと。このかわいー口で、ね?」
つーっと開きっぱなしの唇を撫でられて、ぞくりと身震いする。
早くイきたい。
この熱をどうにかしてほしい。
頭の中はそればかりで。
「たじまぁ‥イきた、あ‥」
「イきたいんだ。じゃあ、自分で出来るよね?」
「ちが、そ、じゃな‥‥」
「違うの?もーどうしたいのかわかんないよっ」
じっと見つめられ高鳴る鼓動。
違う、身体の奥が疼いてどうしようもない。ただ自身を刺激したところでどうにかなるような生易しいもんじゃないんだ。
「ほし、っい、たじま、のッ‥挿れてぇ‥‥」
「えーどうしよっかなあ」
意地悪く笑って田島が言う。もう何が何だかわからなくなって、ぼろぼろ泣きながらお願い、ってそればかり繰り返す自分の目の前に田島の大きな瞳が近づいて来て。
優しく、優しく囁かれる。
「そんなに言うなら、その挿れて欲しーところ広げて見せてよ」
「え、っ‥‥?!」
「ほら、できるでしょ?」
ぐるんと視界が変わって、俯せになると腰を高く上げられた格好にされる。左右に足を開かれれば、全て見られているのだという事実に全身が震えた。
「たじま‥‥?」
「‥‥‥‥」
「‥‥‥、ッ」
あくまで動かないその様子に涙が溢れるが、激しい快感への期待に腕を後ろへ伸ばす。
ほんと、どうしたんだオレ。
「ん‥ぁ、ああ‥‥」
「‥‥‥‥、」
「‥まだ‥らめぇ‥?
‥たじ、ッああぁあ!!」
反応がないのが不安で、恐る恐る後ろを向こうと首を回すが一気に貫かれ悲鳴じみた声を上げる。同時に2度目の射精を迎えた。
「花井、エロすぎだから」
「あっ、あ、ゃ、はげしッ‥ぅああ、んっ」
ずく、と勢いよく突かれるとその度にイくような感覚に襲われ。
ふと見るとオレが吐き出しただろう精液が床に水溜まりのようになっていたから、感覚だけじゃなかったのだと人事のように考える。
「はあっ、たじ、んぁあ‥!」
「すごいよ花井、おもらししてるみたい」
「やら、見な‥でッ‥‥」
「かわいーよ、はな‥いっ!」
「っ‥あぁあああッ!!」
「ねえねえ花井、すっごい良かったでしょ?」
「‥‥うっさい」
「何で?!あんなにあんあん言ってたじゃん!」
「あーもう黙ってろ!」
あの後も何ラウンドかして(絶対オレは田島の何倍もイった。数えられる訳もない)、やっと落ち着いた。というか最後の方はほとんど意識とんでたから、気付いたらベッドで寝てたって感じ。
「でも兄ちゃんには感謝だなー。あんな素直な花井、なかなか見れないもん!」
「兄ちゃん?」
「うん。あの薬、兄ちゃんが誕生日プレゼントってくれたんだ」
(‥どんな兄弟だよ‥‥)
がくりと項垂れる花井だったが、大丈夫?と顔を覗き込まれれば大人しくキスに応じてしまうのだった。
「‥おめでと、田島」
「ありがと、花井っ!」
+−+−+−+−+−+
紫は強めの媚薬でした。
田島に花井をプレゼント!←
(2008年/田島誕)
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