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魔王様ご一行




自称:魔王のレインは、不敵な笑みを浮かべた。

「俺様を追い出すなら、俺様はこのことを言うぞ」

「や、やめろって!」

隼人は焦った。レインは知らないから、平気で言うに決まっている。彼女達の恐ろしさを──。

「だったら、俺様がこの家に住むのを許可しろ。てめぇも俺様も万々歳だ」

レインは思いっきりふんぞり返る。

「いや、でもさっ。親がいない今、お姉に了解もらわないと……」

「だったらお姉に事情を話せ。絶対許可もらえよ。無理だったら……どうなるかわかってんな?」

「う……」

レインは隼人が困ってるのを見て、楽しそうに笑っている。

隼人の頭の中で、魔王を居候させるのと、莉々子と朱里の復讐を受けることが天秤に掛けられた。

「……どうしよ」



********



「あなた、頭狂った? ほらほら、正直に言ってごらん?」

事情を話した隼人は、莉々子にそう言われた。

全く信じてないらしい。当然と言えば当然だろうか。魔界に住む魔族の魔王だなんて、隼人も信じていない。

「お兄。ネジが一本、そこに落ちてるよ。なんなら、入れ直してあげようか?」

朱里が愛用のピコハンを片手に、笑いながら言った。

「おい、隼人」

レインは隼人の服の裾を引っ張った。

「ネジが落ちたってどういうことだ? 許可してもらえたのかよ?」

「全然。お前が魔族ってこと信じてないから……あっ」

隼人はレインの頭にかけたままのタオルを見た。完璧に信じてもらえないかもしれないが、仕方ない。

「お姉、朱里。これを見ろ」

タオルを取り、レインの特徴的な耳が露わになった。

「わぁ……耳だ……」

朱里が彼の耳に釘付けになった。莉々子も同じだ。

「まだ猫耳、犬耳なんてのだったら可愛げあったのに……なんで生えてるの?」

「そんなん俺が知るかっ! 生まれつきだっ!!」


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あきゅろす。
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