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*マーガレット(獄vsツナ)





叶わない、解っているんだ。


マーガレット


ほら、また今日もお前は十代目を待たせている。

放課後の教室は夕日がさしこんでていて、赤い。

日直なんてメンドくせー事を真面目にしている俺は、えらいと思う。


それも、これも、お前が俺の隣だから。

お前となったから、やるんだよ・・・。


でも、お前は違う。

「この、花・・・。獄寺が持ってきたの?」

花瓶にさしてある花。
白い花。

「ああ。担任の野郎が花壇から好きな花抜いてきてさせってよ。」

「抜いてって、、、 切ってだよね。」   

「どっちも同じだろ。」

「以外。獄寺が花選びをするとは・・・」

「選んでねえ!傍に咲いてたやつを持ってきただけだ!」

たく・・・
誰が花選びなんか!
大体、お前は十代目を外でお待たせになってるんだから早く帰れ!!

と、思わない自分が居る、、、、


「獄寺?なんでそんなに眉間に皺を寄せてるの?」

お前のせいだよ。
なーんて、言えるわけねぇ。


「うっせー。日直の仕事も終わったんだろ!さっさと十代目んとこいけ!」


そう言えば、へへっ。
と笑って、
学級日誌を出す。


「ごめんごめん。これ書くの忘れてたから。」

「お前それ、自分でやるとか朝ほざいてたじゃねーか。」

「それがさ、やんの忘れた。」


二人して、窓の外を見る。
十代目が校門で待っている。
次にお前の顔を見ると、申し訳なさそうにしている。

ま、これくらい、
当たり前だな。

それと同時に十代目に土下座するのならいいのだが・・・。

「あー、ツナに悪いことしちゃったよー。」

「・・・。」

「先帰っていいて言ったのに。」


そう、呟くお前。
だんだん雑になっていく文字。
不安そうな顔で教室を見る十代目。


「お前、」



「ん?」

「帰れ。」

「え・・・?」

「帰れ!」

しょうしょう怒鳴り気味で言うと、驚いて手を止めた。
そのうちに日誌を俺の方に引きよせ、続きを書く。

誰だ!こんなノート作った奴!!


「獄寺いいよ。自分でやるっ!て言ったことだし・・・」

「いいから帰れよ。これ以上、十代目をぉまたせできねえ。」

「・・―ごめん、じゃあ。お言葉に甘えて帰るね。」

「ああ。さっさといけ。」

だから、そんな顔するな。

「本当に。ごめん。なんかお礼するね。」

「いらねーよ。こんな事で・・。」

「ありがとう!」

お前は満面の笑みで、教室を飛び出していった。
一人になった教室、こんなに静かなものだったか・・・

外を見れば十代目とお前が微笑ましく笑っていた。

俺の恋しい人が選んだのは、俺が尊敬する人。
幸せじゃねーか。愛しい人たちが、幸せで。

なのに、なんで俺はこんなに哀しいのだろう?



―この思い枯れてしまえ


下駄箱から走って出てきた君。

「獄寺が、日誌変わってくれたの。」

「獄寺クンに俺、気を使わせちゃったかな。明日謝っとこ。」 

申し訳なそうに苦笑いを浮かべる。

「そう言えば獄寺が教室に置く花を選んだんだよ!」

「へー。獄寺クンが。どんなのだったの?」

「マーガレットだよ白くて綺麗だった。生け花の才能あるよ。」

「――−−・・」

「ツナ?」

「あ、ごめん。獄寺君そう言うのこりそうだからね。」

マーガレット。
獄寺君、もしかして・・・

マーガレットの花言葉は、

「心に秘めた愛」



-end-


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