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*金盞花(骸)



好きだった。

金盞花


おや?

どうして君は
逃げるんですか?

なぜ、君は、

僕だけを見てく
れないのですか?


要らないでしょう?


僕以外を見る、目も。

僕以外の声を取る、耳も。

僕以外のものに触れる手も、


僕以外の人に会い
に行くための足も。

僕以外に、


触れられる体も・・・。


全部、全部、


要らないでしょう?


悲しまなくても
いいんですよ。


僕だけは君を見ている。


触れられる、

君の声も、

僕だけに語りかければいい。


君を愛していいのは、

僕だけだ。


僕を愛していいのも

君だけなんですよ。


赤く、赤く、

染まる君は・・・

最高に美しいですよ。

それに、今の君は


僕のことで
頭が一杯でしょう?


それでいい。

君はそれでいいんですよ。


冷たく、静かに、
横たわるあなたは、

真っ赤に染まり、

僕のことだけを考えて逝った。



「愛情表現・・・・
だったんですけどね。」

君の傍に飾った花は、

赤く色を変えた。  


、金盞花。

黄色い黄色い花。

どうして、君は

泣いていたんでしょうか?


―散りゆく君に愛を捧ぐ

-end-



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