だってほしかったんだもん!! デンドロビウム ああ。 今日も君がくる。 きっと、この前の要望をまた言いに来たんだろうか・・・。 ―――ガラっ と、応接室のドアが開いて入ってきたのはほら、君だ。 「雲雀さん!雲雀さん!この前言ったこと覚えてますか!?」 ほらね。 絶対そうだと思った。 「なんのこと?」 「え、花ですよ!!!!花くださいて言ったじゃないですか!!」 「君は花より雑草のほうが似合ってるよ。」 「え。そうですか・・・じゃあ、、、 じゃないですよ!似合うとかそんなの如何でもいいです!」 「じゃ何?」 「そ・・・そりゃ好きな人から貰いたいからです」 そう言うとソファーにダイブして恥ずかしがる。 ほんとうに見ててあきないよこの子。 「で、なんで?」 そう聞けば、ムすっとした表情で、 「ツナが、」 「彼が?」 「ツナが獄寺に花をもらっていたからです!!!」 「は?」 「素敵じゃないですか!愛を込めて花を貰っているツナ!羨ましいです!!!」 「ワォ 想像以上の馬鹿だね。」 「え!?」 結局君は獄寺隼人が沢田綱吉に花を渡しているところを発見して、あっち方向に考えて、僕の所まできたと・・・。 尊敬=愛 、になる君の頭はどうかしているよ。 「え!?じゃあ、雲雀さん真面目にくれないんですか!?」 「・・・あげないよ。」 「そ・・・そんなぁ--!!!」 涙目になる君、 そんなに欲しい物なのだろうか? 「愛を込めた花はね。」 「え?」 君の目の前に白くて、少しピンクが掛った花を差し出す。 名前は「デンドロビウム」 「花に込める愛はいつも君にあげてるからね。これは、感謝のつもりだよ。」 曇った顔も晴れ間がさして、 君の顔から笑みが零れる。 「ひ・・・雲雀さん!! ありがとうございます! 大切に育てますよ!!」 「あたりまえでしょ。枯らしたら咬み殺すから。」 「はい!!!」 ねぇ。君は知ってる? デンドロビウムの花言葉は「我儘な美人」なんだ。 今の君にぴったりだよ。 ―枯れない愛を君に |