嫌いですか?
君の意見なんてどうでもいい。
そう言えたらいいのに。
僕が嫌いなんですか?
「おはよー!」
「・・・おはようございます。」
朝は不安ですよ。
こうやって君がちゃんと元気でいるかを確認できる時ですから。
もしかして、彼に彼女が居る事がバレたんじゃないかとか、
とっても不安です。
ニコニコ笑う君にも僕の思いを分けてあげたいくらいです。
本当に腹が立つくらいいい笑顔をしていますよ。
好きですけど、僕の思いも知らず彼を見てニタニタしているのが腹が立つ。
今日は犬や千種を使っていろいろ作戦を練ってきたんですよ。
と言っても情報収集に出てもらっただけですけど。
やっぱり君には彼を嫌いになってもらおうと思います!
そのために、僕は昨晩徹夜で犬達が集めてきた情報を頭に叩き込んだんですからね?
くふふ・・・
がんばりましたよ。
無駄に・・・
「骸・・・」
「何ですか?」
「気持ち悪い。」
「なぜ!?」
彼を見てニタニタ気持つ悪い顔していた君がそれを僕にいますか!?
第一急に後ろ向かないで下さい!
そうですよ、授業中も分からないところがあれば毎回毎回後ろを向いてきて・・・
ドキッとするじゃないですか!!
顔近いですし・・・嬉し過ぎて授業になりません。
授業受けてませんけど。
話なんか聞いてませんけど。
君が僕の前の席だから僕は授業に参加するだけですから。
ふっ。知ってますか?
隣より後ろの方が近いんですよ。
「いつまで、一人でにやけてんの?途中で鼻笑いなんかして・・・」
「君に言われたくありませんね。ニタニタと気持ち悪い。」
「気持ち悪いだと!笑うと変態見たいな奴に言われたくないは!」
「僕は普通ですよ。」
「あれが、普通て事は異常だわ。」
おや?
何かこれは彼じゃなくて僕が「変」で終わってませんか?
そんなに変ですかね?
話を変えなければ!
「君は誰にでも優しい人ってどう思いますか?」
「何?突然。嫌だけど・・・」
「女誑しの人ってどう思います?」
「最低だと思う。嫌」
「束縛が激しい人っは?」
「嫌にきまってんじゃん。」
「暴力的なh「まったまった。」
なんですか?今、アンケートをとっているのに。
今のところ君は彼の事嫌いになってますよ?
最低ですって、クフフフ。
「その質問・・・」
「おや?もしかして気づきましたか?」
それならよかった。
僕の口から言うにはちょっと無理がありますからね。
てより、自分で気づいた方がいいですよ。
「自分の事聞いてんの?」
「え?」
「だって、女誑しで、誰にでも優しくて、束縛激しそうだし・・・」
「嫌、ちがうでしょ?全部反対ですよ?」
「あ、暴力的はなさそうだけど・・・」
「いや、だから全部違いますって!」
何を感じ違いしてるんですか!
え、ちょ。僕てそんな風に見えます?
「大丈夫だよ?私骸の事良い所もちゃんと知ってるから!嫌いじゃないよ!」
「え、ありがとうございます。でも、僕じゃないですよ?」
「そうだよね、自分て言えないよね。」
「何ですかその憐みの目・・・」
「犬に言われたの?」
「何で犬に言われるんですか。」
「犬に雑誌とか見せられたんでしょ?『こういう人は嫌われる』とかのページ。」
「見せられてませんよ。それに犬は最低限の字しか読めません。」
「わかった。わかった。それ以上何も言うな。」
ポンと肩を叩かれ、憐みの目を向けられました。
なんですかこれは?
勘違いにもほどがあるでしょ?
さすがにこれはないでしょ?
ありえないでしょ?
僕は全部反対でしょ。
「大丈夫!骸の事を好いてくれる女の人は沢山いるから!」
「そんなのいりませんよ!」
僕は君以外いらない。
「好きな人に愛されればそれでいい。」
そう、それでいい。
なんだかこのまま君と居たら本当の事を言ってしまいそうなので教室を出ました。
ついでにいうと授業をさぼりました。
・・・・・・
「骸・・・?」
私、余計なこと言っちゃったかな?
てか、言ったよね・・・
「怒ったかな・・・。」
骸が出た後も教室は騒がしい。
さすが黒曜中。
集まる女子は骸の話で持ちきりだ。
「さっきのセリフ聞いた?」
「かっこよかったね!」
一体何が不満何だか・・・。
めっちゃ愛されてんじゃんー。
あーあー。私も愛されて―。
チラっと彼を見れば目が合う。
慌ててそらしてしまった。
もったいない。
なんだ、この青春にありきたいな場面は。
骸に謝らないと。
―罪悪感に平伏した