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笑って下さい。



涙は女の武器ですよね。
笑顔は女の盾ですよ?

僕のために笑って下さい


今日は黒曜中で君に会いませんでした。
黒曜ヘルシーランドに帰れば会えると思いましたがそこにも君はいませんでした。

僕たちがいつも居る部屋のソファーに君のスクールバックが置いてあるだけでした。

だから、僕は探しました。

ありとあらゆる部屋を見ました。


やっと君を見つけました、そしたら・・・


泣いていました。


泣いている君を僕は見つけてしまいました。
黒曜ランドは廃墟で古いと言えど土地は可なりものです。

探すのがとても大変でした。
とても、大変で焦りました。

何かあったんじゃないかと凄く焦りました。

でも、君は見つけられないように隠れたのでしょう。
それを、僕はみつけてしまいました。


「骸っ・・・」

部屋の端で縮こまり腕に顔を埋める彼女はとても弱々しい。

「どうしたんですか?」

「っ…なんでもない。」

僕は君の隣に腰を下ろしました。
「なんでもない。」それが君の口癖。

何度もその言葉を聞いたけど今日のは何か違います。

「僕には何でもない様には見えませんよ?」

「…なんでよぉ。何で見つけちゃうのっ!」


「馬鹿ぁ!」そう言うと今度は声をあげて泣きました。

なんででしょうね。
何で君を見つけられたんでしょう?

僕にもそれは解りません。

やっぱりこれも愛の力じゃないですか?


「わかんないよっ!」

「?何がですか?」

「男の人は誰にでも優しいものなのっ!?」

あぁ、彼の事ですか。
そんな奴のために君は泣いているんですね。

彼の制で今、世界中の男が彼女に嫌われていますよ?
まったく。本当に消してしまいたい。

消したら君はまた泣くんでしょうね・・・


「そうですね・・・」

「Σ!!」

「優しいとは限りません」

「っ…何、で?」

「人と接すのは生きている限りあることで、どう接するかはその人しだいですから。」

「じゃあ「だからと言って全てを同じように扱うことはできません。」

「誰しも優しく扱うなんて事はできません。」

「なら、っ私わぁ…」

「でも、僕なら愛する人の前なら誰しも同じように扱います。」

「なんでっ?」

「その人の前では良い人でありたいでしょ?」

「・・・うんっ。」

今もそうですよ。
愛する人の前なら善人だってなります。

世界を守るだの、なんだの言えますよ?

君がそれで僕を見てくれるなら、僕は世界を憎む事だって辞めます。

涙を拭った君は僕の方へ顔を向け微笑む。


「骸・・・ありがとう。」

「礼はいりませんよ。」

「骸は凄いよ、いつも私が困ると答えを見つけてくれるんだもの」

「そうですか?」

「うん。どうして骸は私に答えを教えてくれるの?」


僕にもそれは分からない。
何故君に答えを教えたのでしょう?
何故慰めたのでしょう?

君を慰めることなんかなかったのに・・・

あのまま彼を嫌いになって貰えばよかったのに・・・


それなのに君の哀しい顔を見ていられなかった。


多分それは、君の笑顔が見たかったから。


「君と僕の仲でしょ?」

「そうだね!」

その笑みが好き。
泣き顔なんて似合わないです!



-君の笑みを取り戻すのは僕。




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