愛しています。
誰よりも君を、「アイシテル」
そう思いたい。
ただ貴女を愛しています
君は僕を見ている。
僕は君と向き合っている。
僕の答えは君に受け取られました。
「僕が君を見ないなんて事あるわけないじゃないですか。」
不安そうな顔で僕を見る。
ああ、疑われていますね?
僕で一杯の君は僕が導いた君。
それでもいい、
君は僕が手を引いた道を歩めばいい。
「僕は君しか見ていない、君は僕しか見なくていいんです。」
手を引いて抱きしめた。
君は引かれるまま僕に抱きしめられた。
これが、望んだことなのか?
そう、聞かれれば「そう。」
としか、言えませんね。
だって、どっからどーみても僕たちは結ばれた恋人じゃないですか。
すれ違った想いの末、僕等は結ばれた。
それでいい。
「骸、」
「どうしたんですか?」
「これは、私が骸を好きだって事だったんだよね?」
「そう、じゃなければなんなんですか?」
「わからない。」
――わからないの。
何故、迷う?
あぁ、そうでした迷わしたのは僕でしたね。
彼は君の事が好きでした。
だから、僕が邪魔をした。
彼が女子生徒に告白されるのを見て、僕はとっさに彼に幻を見せた。
゛女子生徒が君に見えるように゛
騙された彼が悪いんですよ。
本物か偽物かの区別もつかない、
=彼は君の事を大して好きでもなかったんですよ。
女子生徒は大好きな彼に愛されて幸せでしょうね。
僕はいいことしましたよ。
女の子には優しくでしたものね。
後は、簡単です。
君に協力しながら、君を傷つけて行って、
僕に頼らせればいい。
君にとって僕は大きな存在になったでしょうね。
だから彼は殺せなかった。
消してしまった方がよかったけれど、利用する手があったんですよ。
そんな作った一日、一日中で君は彼の為に泣いたり、
笑ったりするから僕が可笑しくなったんですよ。
君が僕の為に感情を動かせば君を此処まで追い込むことはなかったのに。
「僕が君から離れてもいいんですね。」
「嫌だ。嫌だよ?」
「君にとって僕はなんですか?」
「・・・大切な人。私の大切な人」
おかしい。
いくら君を強く抱きしめても、君はまるで幻のようにすり抜けてしまいそうで怖い。
手繰り寄せて捕まえたのに、また、逃げられてしまう。
抱きしめ返してはくれない。
それは、君が僕を「必要」としているだけで、
僕を愛してはいないから。
そんな事わかりきっている。
心までは動かすことも、変えることも僕にはできない。
マインドコントロールして僕を好きにさせるのは簡単なことで、
だけど、それでは意味がない。
感情も、心もない君など僕は愛していないから。
「僕にとって君は大切な人です。」
「うん。でもね、私は」
ぎゅっと君とくっついて、
僕の背中に君のてが回っていた。
抱きしめられた、温もりは。
とても冷たかった。
「それでもこれが"愛"でない事はわかる。」
冷たくて、脆くて、儚い。
偽りで手に入れた君。
手に入れたのは君だけだった。
「えぇ、手に入らないとわかっていました。」
―終焉を彩る虚像
(それでも、僕は愛してる)
(偽りでいいなら上げましょう)
(それが君の愛ならば僕は受けいれる)
(―私は貴方が好きだった)
((いつから迷った))
(私は)(僕は)