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問題ありましたか?



何を求めたんでしょう?
助けなんて来ないと知っていたのに。

何がいけなかったんですか


「知ってた。知ってたよ!!」

彼女は泣いた。
僕が泣かした。
傷つけた。

彼女は顔を伏せて叫んだ。
空は透きとおった青空なのに、この場だけ違う様に思えました。

「全部、知ってたんだから!!」

響いた声。
僕たち以外誰もいない屋上。
いいえ。誰も来れないように僕が幻術を使ったんですけどね。

君だけが来れる。
君だけが、僕の傍にいられるんですよ?
君の本音だから僕は黙って聞ける。

「あいつに彼女がいるのだって、
骸がそれを知ってて隠していたのだって、
嫌うようにしていたのだって、
骸が私をちゃんと見てくれているのだって、
全部、知ってたんだよぉっ!!!」

おやおや、「彼」が「あいつ」になりましたね。
泣いている君を眼の前にしても僕は何故だか嬉しくてたまりません。
だって、君は僕を見ていた。
僕がしていたことは無駄じゃなかった。
いえ、無駄にならないようにしたのは僕ですがね、

「でも、言えなかった。言ったら、終わりだから!好きになったのも無駄になるから!」

無駄になればいいんですよ?
僕は無駄になってくれた方がいい。

「それに、」

それに?

「骸とちゃんと向かい合うのが恐かった!」

「それは、、、?」

恐かった?
なぜ?恐い?
だって、君が僕を恐がることなんてないでしょう?

僕が君に今まで何かしましたか?
いや、しなかったとは言い切れませんがしていないですよね?
それとも、恐いとは別の意味ですか?
僕の存在そのものが恐かった?
クフフ それなら分かりきれますね、

「・・・・っ」

「なぜ、黙るんですか?」

僕も自分が自分で思うより恐いですから。
こんなに君に執着して、
未来も過去も全て消そうとまで考えた。
この世界が憎くて、
平凡に生きる世界が嫌で、
強者の思い通りに回る世界などなくていいと思ったんですから。
そして、消そうと思った。
狂ってしまえばいいと思った。

なのに、彼等に邪魔された。
仲間?守るもの?
ボンゴレは何がしたいのか分からない。
仲間も大切な人も所詮この世界に縛られて生きているんですよ?

それなら、楽になったほうがいいじゃないですか。
死してなお本当の自由が手に入るかも知れない。
かも知れない、だけですがね。

こんなのただの理屈ですから。
理屈は人を惑わす。
あたかもそれが答えであるかのようにするんですから。

君がだした答えは間違えでもない。
だけで、正解でもないんです。
恐れたらそれで終わりですから。
あとは、逃げるか立ち向かうか・・・

楽なのは逃げる方なんです。

「骸の見ている先が私じゃなくなるのが恐かった。」

間違えだと思った。
だってあなたがそんな言葉いうわけない。
君の顔を見れば涙はとまっていた。

初めてちゃんと向き合った気がします。

「私が余所見をしていれば骸はこっちを見てくれる。
ちゃんと、向き合ったらもう、私を見てくれないと思った。」

良い方悪いですけど、
僕の事をだましてたんですか?
いやいやいや、
君が僕の事を考えてそこまでしてくれていることには感激です。
むしろ、今顔が火照ているくらいです。

恐い?僕の方が今とても怖いです。
嘘のようで。
どこかに術師がいて「うそー」とかでしたらある意味感謝ですよ。
こんないい幻術を僕に見せてくれるなんて!
幻術に掛る事何か僕はありえませんからね。
夢が見たくても自分で作った空想の世界なんてつまらないんですよ結構。

だけど、そんな術師いたらお礼を言って殺しますよ。
僕以上に悪趣味です。

だけど、「嘘」で終わらないと言う事は、
現実。

嬉し過ぎて、顔がほころんでしまいますよ!
なんて、簡単な世の中だ!!!

―惑わされた真実



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