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何も考えなくていい、


夢なんて嫌いだ。
何時かは覚めてしまうから。


きみは何も考えなくていい


名前はずっと僕の傍に居る。
笑って。
愛して。
泣いて・・・


僕の傍にずっと居る。

僕等は愛し方も、愛され方も忘れてしまった。

出会ったころは、どうやって君を愛したんだろう?

壊れやすい物の様に君を愛した。
触る事も怖かった。

僕なんかが触れれば汚れてしまうんじゃないかと思ったんだ。

なんとなく、何とくなく君を授業に出させた。
飽きたわけじゃない。

名前の頭が悪くなったら困るからだ。
ただ、それだけ。

付き合って初めて撮った写真を見た。
僕が嫌だと言うのにも係わらず君は勝手にシャッターを押した。

無愛想な僕。
その隣に満面の笑みの名前。

写真に写る君の笑顔を僕は最近まったく見ていない。

とても、幸せそうだ。

愛に溢れた時間だったんだろうな。


あの時、僕はどう思っていたのだろう?
君にどうやって愛を伝えていたのだろう?


分からない。
忘れてしまった。

考えても頭に過るのは泣いた君の姿だ。
それしか、頭に思い浮かばない。

君しか見えなくなってから、
君を苦しめてばっかりだ。

笑顔が見たかっただけなのに・・・


思い通りにはいかない。


久しぶりに学校内の散歩を一人でした。
何だか僕の隣に君が居ないのは違和感がある。

君と見回ったこの学校。

他愛ない会話をして、笑い合った。
自然に笑みがこぼれたんだ。
だから、僕も笑ってた。

屋上で風にあたると、何だかとても懐かしい感じがした。

君に出会っていない時、僕は此処で時を過ごした。

一人の時間が好きだった。
でも、君との時間がそれよりも好きになった。

君を始めて見たのは此処からだ。

此処から君を見つけて、惹かれていったんだ。


外では君のクラスが体育をしていた。

屋上から見るグランドは見渡せる。
人はとても小さく見える。

それでも、僕はすぐに分かるよ。

どんな場所にいようと名前を一番に見つけられる。

嫌々そうにグランドを走る君。

誰も、誰ひとり君の傍に行かない。

いや、寄せ付けない。


満足な筈なのに、何だか嫌だった。

友人と話すのにも多少距離を置いている。
それでも、笑っていた。

僕と居る時よりもうれしそうに。

凄く、悲しかったけど。

凄くうれしかった。


君の笑顔を見れて、僕は嬉しかったんだ。


「君の愛し方を僕はやっと見つけたよ。」



―解かれた幻想





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