―ヒタヒタヒタ 私と獄寺の後ろを裸足でついてくる変なスト―キング野郎…野郎じゃないかもしれないか、 早歩きになれば後ろの足音も早くなる。 おまけに獄寺が後ろの(仮)山本の癇に障る事を言ったから段々と追いつかれて来た。 これ、山本じゃないよね。山本こんな悪趣味じゃないよ…こんな手の込んだ悪戯しないよ。たぶん。 ―タッタッタ あちゃー!!ついには走ってきちゃったよ。 どーすんだよ!獄寺後ろ振り向けよ!何変な念仏となえてんの!?聞かない!聞かないからそれ! 何で今出てくるんだよ…せめてリボーン君とかと居る時でてきてよー フェンスの向こうへ 全速力でツナの家に駆け込んだ。正直久振りにあんな走ったと思う。そんな私だ、少し走っただけで疲れて諦めようと思ったが獄寺に手を掴まれ此処まで走ってこれた。ありがたい。 しかし、私の肺は限界だ…爆発しそう! 「どうしたの2人とも!?」 不用心な家だな。鍵かかってなかったぞ。て、言いたかったが今日はそれに感謝している。 玄関で座り込んでいる獄寺と私を見て心配してくれるツナはつくづく優しいと思う。 手を握っている事を忘れていたのか獄寺はツナに言われて振り払うように離した。何で青ざめているんだ獄寺よ… あれだけ走ってまだ、話せる獄寺は流石マフィアだ。ツナの右腕を名乗るだけあるな! 呼吸を整える私の代わりにさっきあった事を話してくれるのかと思えば慌てふためいて手を繋いでいたのを誤解だと説明していた。 馬鹿だろ。今どーでもいいだろそれ! そんなに私と手をつなぐのがいやだったのかこのやろー 「ス、スト―キングにあったのだ」 一応話せる位まで回復したから、これまでの事を説明しようとしたら「此処じゃなんだから」、とツナの部屋に場所を移した。リボーン君がにやりと黒い微笑みを浮かべていたからきっと、あの携帯の何かを知っているんだろう。 机を囲んでやっと獄寺が話そうとしたらビアンキさんが獄寺を心配して部屋に入ってきた。当の本人はふげぇーとお腹を押さえて倒れてしまった。ツナが獄寺を自分のベットに横たわらせてビアンキを部屋から追い出す際に「めんどくせぇな」と言ったのは聞かなかった事にしよう。お前は白い子だって信じてる。 「え!?じゃあ追いかけられて来たの!?」 「うん。」 「帰れ」 こんなにストレートに追い返されるの初めてかもしれない。ちかも真顔で。雲雀さんでさえ一応何かあったら電話していいて言ってくれたのに! …あれ?電話していいじゃね。今の状況… 「帰らない。少なくともツナの母上の飯食うまでは絶対帰らない。」 「頼むから帰ってくれよー」 駄々をこねるなみっともない。 下からグラタンのいい匂いがしてきている、これは帰るわけにはいかない。 今までの話を一応聞いていたリボーン君は窓の外をずっと見ていた。 「リボーン君。何を見てるんだい?」 「外から殺気が漂ってるから一応な…何もねーけど」 真顔で言うなよ。殺気て…殺す気かい? ツナがめちゃくちゃ怯えてクッションを抱きしめている、正直その姿に萌えたのは黙っておこう。 あの携帯拾って電話でただけで殺されないとならないのかい? なんて奴だ…ところで私達を追い詰めている幽霊さんは女のか?男なのか? 「山本じゃねーか?」 「ん?」 リボーン君が指さす方向を見ればそれはめちゃくちゃ慌てている野球少年…本物の山本である。 あ、ツナの家に入ってきた。だからこの家鍵かけないの?あたしちゃんと入ってきた時鍵閉めたぞ… ―ドドドドッ!! 急いで階段を駆け上がる音にさらにツナは恐怖して抱きついて来た。暑苦しい… ―バッ ドアが思いっきり開いて私たちを見るや否や安心したかのように笑って同じくしゃがみ込んでしまった。 リボーン君は私に抱きついているツナの頬をを蹴って山本の前に着地した。 いてぇー!と頬を抑えるツナ、あれは痛いと思う。 「何があった?」 いつも通り笑っていた山本は一度唾を飲み込んで真剣な顔でそれに応えた。 「変な髪のなげぇ女が裸足で追いかけて来たんだ」 変てなんだ?何で変をつけた…そして山本! それ私だと思っただろう!だから振り向いたんだろう! じろーと山本を見れば「わりぃ」と苦笑いで謝ってきた。やっぱ間違えたんかい! 私だって反省の一つや二つするはぁ!! 「女の幽霊なんだ…」 そう呟いたのはツナだった。男だと思ってたの? 獄寺のポケットから例の携帯を取り出したリボーン君はそれを机の中央に置いた。 山本も立ち上がりそれを囲むかのように座る。 獄寺はお腹を押さえていたが復活したらしく、ツナと山本の間に座った。変なこと言うけどこの部屋せまいよね。 |