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:< 選択肢はただ1つ




何で俺あんな携帯持って来ちまったんだろう…
馬鹿だ、馬鹿だ俺!!
柄にもねー事するんじゃなかったぜ。

「何で俺がテメェと一緒に帰んねーとならねーんだよ!」

「うるさい。黙れ」

「ん、だとぉ!」

つくづく腹が立つ女だぜ…
笹川達が弁当を誘っていたがそれを断って雲雀の所で飯食って教室戻ってきたと思えばあの、呪いの携帯を持って帰ってきやがって!
確かに昼はお前がいなくて平和だった。
久しぶりに十代目と和やかに話ができたしな。
笹川達はお前がいないので黒川と二人で食ってたからな。野球馬鹿が邪魔だったがイライラせずに飯が食えた…
なのにお前はなんでその平和を壊すんだよ!

黒い長髪のズラ被って右手には携帯、左手に弁当の袋をぶらさげて教室に入るもんだから教室に居た奴らはほとんどが驚いて笑っていたが、昨日の出来事があった俺達はすげぇびびったじゃねーか!
十代目は気絶しちまうし、笹川は半泣きで黒川はハサミ持って立ち向かおうとしてたぞ…
山本なんか椅子投げようと…投げたな。
あたったらやばかっただろ!

「みんなジョークが通じないんだから」

「お前がわり―んだろうが」

正確に言えば山本が投げた椅子はしっかり美夜がとっさに前にだした空になった弁当が入った袋にヒットした。
両手がふさがっていたのといい、空の弁当箱じゃ山本が投げた椅子の全てを防ぎきる事はできず左手を捻って転んだ拍子に頭をぶつけたんこぶができている。
幸いズラがクッションになって怪我はそれだけだった。
当然弁当箱は破損した。

十代目が気絶なさらなければ俺もダイナマイトをおもくそ投げてたな…
そのあとクラスの奴らから山本と黒川、笹川は怖いのが苦手と判断された。十代目は元々ならしい。

その時丁度教師が入ってきて破損した椅子と弁当箱…怪我を負った(自業自得)美夜と気絶した十代目、半泣きの笹川を見て青ざめて「次の時間は自習」と叫んで美夜と十代目、一応笹川も保健室に連れていった。その3人が行くのだから関わりのある、俺と、山本、黒川も後を追い、何故か保健室で説教をうけた。シャマルのあのにやけた顔をぜってぇ忘れねぇ!
山本はすげぇ美夜に謝っていたがその必要はねぇと思った。
眼が覚めた十代目に美夜は説教されていた、その時の怯えた顔は尋常じゃなかったぜ…一体十代目に何が!?ズラを没収されて涙目になっていた。
黒川と笹川に土下座している奴はそこだけ反省したらしい。

結局教師に訳を話しても放課後まで説教されてしまった。
黒川と笹川は先に返されて、山本は次の大会もあるため部活に行かされた。残された十代目と俺達は無駄に長い話を聞いて教室に戻らされた。
荷物を整えて十代目の元に行こうとしたら美夜が来て携帯を差し出してきやがった!
おめぇが雲雀から渡されたんだろと言ったら「あんたが拾って来たんでしょーが!」ともっともな事を返されちまった…
あーだこーだ押し付け合いをしていたら十代目がお先に帰ってしまい…

現在に至る。










「何でついてくんだよ!」

「わっちの家はこっちじゃ。ちなみに今日もツナの家で夕食を御馳走してもらう」

「てめぇ!十代目に迷惑かけんじゃねーぞ!」

「…本当は怖いんじゃろぉ」

じろーと何かを見透かした眼で俺を見る。
てか、なんだよそのしゃべり方…変だぞ

「こ、こわくなんかねよーっ」

「携帯…」「!」

なななななな、何なんだよこいつ!
本当に女なのかよ!最終的こいつが俺に携帯を押し付け女子トイレに逃げ込んで俺が持つことになった…じゃなくて、女子トイレから出てきたあいつに携帯を押し付け男子トイレに逃げ込んだらあいつは平気で中に入ってきやがった!!しかも、十代目に渡すとか言いやがったから結局俺が持つことになった。

「ねぇ、獄寺さん…」

「今度はなんだよっ!」

「君は靴を履いてるかい?」

「あたりめーだろ」

「じゃあ…この音は?」

突然変な事を言い出して来て音?
そんなの聞こえ…る…

―ヒタッヒタ

裸足で歩く音…その足音は俺達の後ろから確かに聞こえる。
夕暮れどきのオレンジ色に黒がかかってきた空には雲が沢山あって…こりゃ夜中に雨が降るな。

「獄寺君、獄寺君。ほらほら、ついてくんじゃねーて言って」

「ば、ばかじゃねーのか!俺はそんな心狭くねぇ!」

「あ、そーなの?じゃ、あたし先行くわ!なんか走りたくなってきた」

「ま、待て!俺も実はさっきから走りたかったんだよ!」

「走りながら煙草吸うのは危険だよ。やめたまえ。そして、レディーファーストしろ」

「男子トイレ普通に入ってきた奴が何言ってんだ!」

ああああああああ!!
これなら魔除けの呪文覚えておけばよかったぁ!
あ、ちげーか…。
早歩きになっていけば後ろの足音も俺達と同じ速度になっていく。

―ヒタッヒタヒタヒタ

「や、山本君じゃない?ね?後ろ振り向いてみ?ね」

「野球馬鹿がとうとう靴もはけなくなったか」

「え、ちょっと…獄寺が変な事言うからなんか追いつかれてきてない?ねぇ、さっきの気にしてんじゃない?靴はけない気にしてんじゃない?」

「お、おれは野球馬鹿つったんだよ!向こうが変な勘違いしてんだろ!」

「あたしにキレないでよ!そして、なに火に油注いでんだよ!」

俺がなにしたつーんだよ!後ろにいる(仮)山本はガラスのハートなのかっ!?





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