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:0 青い血溜まり




―ツーツー


「電話…切れた」

冷たい風が吹き通る。

「ひぃいいいい!!」


―バシッ


ツナに向かって空になった自分のお弁当箱を投げつける。顔面にヒットしてツナは顔を両手で押さえしゃがみ込んだ
本当は回し蹴りをかましてやりたいところだけど雲雀に頭蓋骨割られそうなあたしはこの場から動けない…

「うるさい」

あの声かこの空気か、ツナは相当恐かったらしく悲鳴を上げたんだろうな。
雲雀はいまだ後ろからあたしの頭を掴んでいる。
ツナの悲鳴の時に力が強まって本当に死ぬかと思った…八つ当たりすんじゃねーよ。あたしは軽くツナに当たったけどさ!

「だっ、だって!さっきの声!!」

「獄寺の彼女て冷たい声なのな」

「だからちげーて言ってんだろ!」

今だ山本は可愛らしい携帯を獄寺の彼女のだと思ってたのか…
てより、誰かあたしをたすけちくれ!
京子ちゃんだけだよ?そんな心配そうな眼であたしを見てくれるの!大好きだよもう。
花ちゃんは自業自得て顔してるんだもん。

「ねぇ、さっきあの携帯から聞こえた声」

あわわわ。あたしの後ろから冷めた声がきこえるよー
携帯以上にあたしはうしろにいる人物が怖い。

「確か…会いに行くて…」

「誰にだい?」

しーんと静まり返る。
みんな青い顔をして携帯からまた一歩離れる。
ひばりさーん!私もみんなと同じく一歩下がりたいです。離してくださいませんか?
それに何でみんな恐がる必要がある?

「誰って…雲雀で出たんだから会いに来るのはひばrっいだだだだだ」

「へー。」

笑ってない、笑ってない!ひばりくん眼が笑ってない!頭を離して貰えたと思ったら腕をおもいっきし掴まれた。く、く、首にトンファ―あたってますぅう!
物騒だよ!携帯よりぶっそう!
おいっ!何でみんな安心した顔して携帯に近づいてんだよ。あたしのおかげでもあるでしょ?おいっ!

「僕を巻き込んだ罪は重いよ」

「お、女の子に手をだすほうが重いですよー」

腕折れる!腕おれる!てかまぢでこの人殺る気だよ
あたしこんなんで人生終わりか…

確かにあたしが悪いんだけどもね、あたしだっていつも1人でつまらなそーな雲雀君に友達を作ってあげようとね、出会いをあげようと優しい気持ちで電話にでたんよね。

「ワォ君がそんなに僕の事考えているとは思ってなかったよ」

あちゃー。声に出してたかぁ、技とだけれど。

「でしょ?別にね、これっぽっちもスカートの丈を注意された事とかゲームを没収されたことの恨みをはらそうなんて思ってなかったんよ」

「ふーん。そうそう、君から取り上げたゲーム今頃燃えてるんじゃない?」

「なんだとっ!?やりやがったなてめぇー!せっかくレベル98まで上げたのに」

「君自信のレベルはマイナスがつくのにね」


青い血溜まり


あのー…俺全然話しついていけないんだけど…
なんか、美夜と雲雀さんが仲よさげに喧嘩してるようにしか見えないんだけど。
いやいや、美夜は今本気だよ。ゲーム壊されて怒ってるよ…
雲雀さんの笑みが怖い!つーか、怒る方逆じゃない?普通この状況に巻き込まれた雲雀さんが怒ってるんじゃないのかっ?

「なんだこれ?」

山本が携帯の異変に気づいてキーホルダーを掴んで持ち上げる
そしたら赤い液体がポタポタと流れ落ちた

「ひっ!!」
「ん、だこれっ!?」

その液体は確かにその携帯から出ている。
獄寺君が指で触る「生暖かい?」と言って匂いを嗅いだ。顔を顰めて一歩後ずさる。

「な、なんだったの?」

「ありゃ、血っすよ」

「血ぃぃ!!??」

何で携帯から!?山本が携帯を開いて俺達に画面を見せる。
待ち受け画面の校庭が血の海になっていた
その校庭から溢れ出る様に携帯から血が流れおちる。

「ツ……ツナ君」

「京子ちゃん?」

京子ちゃんが震えた声で携帯を指さした。

「屋上に…っ」

「あ、あれ!!」

花が何かを見つけて顔を強張らせて京子ちゃんを抱きしめた。

一体何が…

「!な、何で俺達が!?」

確かに待ち受け画面の学校は並中で、今携帯画面から流れ出ている赤い液体は血だけど…
何で、待ち受け画面の校舎の屋上に俺達がいるんだ?
しかも同じ現状のように!

山本が持っていた携帯を手放す。

…―ガタンっ

今の状態を把握しきれていない山本はなんとか自分を落ち着かせようと深呼吸していた。
獄寺君は俺の前に立ちダイナマイトを用意している
京子ちゃん達は雲雀さんと喧嘩?殺し合い?のような事をしている美夜に駆け寄っていった。
京子ちゃん達から話を聞いた美夜は眼の色を何だか輝かせてこちらに走ってきた。
雲雀さんは不機嫌そうな顔をして一応自分も関係ある事なので携帯に近づく。

「血だって!?ツナ!」

雲雀さんの事を放置してよくもまぁ、これるよ。
雲雀さんに至っては山本が落とした携帯を拾い上げて睨みつけている。

「う…うん」

「いやぁーホラー」

「ん、な事言ってる場合か!」

怒鳴り声をあげる獄寺君に美夜はにやりとあくどい笑みを向け「恐いのか」と言って携帯の元へ駆け寄った

「これが問題の携帯ね…」

「雲雀君。風紀委員なんだから危険物は没収しないと」

きっとお前だけだよ。雲雀さんの肩をポンと叩いてそんな軽々しい発言できるの。
でも、雲雀さんこーゆうのあんまり気にしなさそうだな。
きっと、あの携帯も風紀委員で処分してくれるだろ

「残念だけどこれは只の携帯だ。没収するほどのものでもない」

美夜に携帯を渡して一歩後ずさる。

「…じゃ、あげる。プレゼント」

「いらないよ。こんな物騒なもの」

おいおいおい!!
矛盾してるぞおいっ
え?まさかの雲雀さん…
そんなね、だって雲雀さん幽霊とかお化けだろうか「咬み殺す」の一言で終わりにしそうだもん。
それは、あれだよね。俺の聞き違い…じゃないよね!

「遠慮するな。誕生日いつ?めんどくさいから今日でいいよ。はいっ」

「ちょ、近付けないでよ。5月だから!かなり前だし、それに君自分で応接室の前にバースディカードと共に雑巾ラッピングして置いてったでしょ」

「そうだっけ?じゃあ、クリスマスプレゼントでいいよ。あたしが雲雀のサンタになってやるよ」

「何それ?そんな血だらけの携帯よこすサンタどこにいるの?世界中の子供が都市伝説を信じるよ」

獄寺君はいつのまにかダイナマイトを下げてポカーんと2人の光景を見ていた。
山本や京子ちゃん達もいつのまにか笑い初めて…
何これ?なんだったの最初の空気!

てか、2人共いつまで携帯押し付けあってんの!?





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