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:( 捨てられた玩具




あたしはお昼が一番大好きだ。
ツナのママンの愛情タップリ洋風弁当に山本の父君の青春を詰め込んだ和風弁当!美味しいご飯に囲まれて幸せだよあたしは。

なのに……

「ふん。」

あぁ、わたして何て健気なんだ。極悪非道な獄寺に脅されて焼きそばパン(110円)を買わされてしまったよ。

―バシッ

「てめぇ何変な言いがかりつけてんだっ!」

「頭を叩くなぁ!頭を!!」

大体何で獄寺が隣にいるんだよ!
あたしがツナのお弁当を貰おうとしてツナの隣をGetしたのに割り込んで来やがって…

「まさかお前もハンバーグを狙って!?」

「獄寺くんをお前と一緒にするな。ありがとう助かったよ(お弁当)獄寺くん」

「いえっ!!自分は当然の事をしたまでです」

ツナー甘やかすなよー。
うわぁ。目をキラキラさせてキモッ。あたしの邪魔するのが当たり前ってか?え?

「しゃーない。山本の弁当を狙っ「クラスの女子がくれたのあるが食うか?」…いただく。山本への愛が詰まった弁当をあたしが消化しちゃろう!」

山本がさしだしたお弁当はこれまた可愛いものだった。どちらかっつーとあたしは山本の父君が愛情込めて作ったお弁当を食べたかったんだけど、あんな黒い爽やか笑みで差し出されちゃ諦めるしかないか。

「ぐすんっ。電子レンジの愛の味」

「美夜は食べ物関係うるさいわよね」

「花ちゃん味にうるさいて言ってくれない?」

京子ちゃんがそんな可愛く笑ったらあたしどんな馬鹿しても構わなくなってきた!

「お前ほんとに女なのか?」

なんだ獄寺!なんでそんな真顔で聞くんだよ!!

「一応女だい!それに獄寺が似合わない女の子らしいリボンのキーホルダーつけた携帯を持ってるの黙っててやったのにそんな事聞くの!」

「リボン!?」「獄寺が!?」「意外ね」「可愛いぃ―」

あ、何かみんな乗ってきた。

「馬鹿!あれは俺のじゃねぇ!!」

またまた言い訳しちゃってぇー
ポケットからリボンのキーホルダーがついた白い携帯を取り出す獄寺。あれ何か違和感?

「そーいえば獄寺君の携帯て青っぽい緑的なやつだったけ」

「そうっス!」

何覚えて貰った事に感動してんだよ。じゃ、それなんなんだ?え?なんか、え?て使うの多いなぁ

「じゃ、獄寺の彼女のか?」

「んなわけねーだろ野球馬鹿!!これは昨日10代目を探しているときに3階の教室で見つけたんだよ」

お前3階まで行ったのか!あたしより馬鹿だ!てか、勝手にとってきてよかったのかよ。










「でも、持ってきちゃってよかったの?」

ツナが獄寺から受け取った白い携帯を見て言った。
可愛いリボンのキーホルダーが揺れる、揺れる。
女の子の物だよね。

「使われてない教室にあったんで後で落とし物として職員室に届けようと思ったんスが忘れてました」

苦笑いしながら言うことか!きっと落とし主は心配してるぞー。あー可哀想!

ツナから山本へその携帯が渡される。
携帯を普通に開いちゃったよ山本くん。

「お!着信きてるぜ」

「え!?」

何で着信でびびるんだツナ。ほんとにおちくそだなー
隣にいる京子ちゃんは相も変わらず可愛い笑みを繰りだす。
なんなんだよもう!くっついちゃえよもう!

「あぁ、それは昨日の夜に鳴った時のだ。流石に誰だか分かんねーのにでれねーかんな」

「もしかしたら持ち主だったかもよ」

いでででっ!つねるなぁ!「じゃあ、おめぇーはでんのかよっ!」て、出るに決まってんでしょ。偽名でさ!

「美夜は偽名で出そうだよ…」

「よくわかってんじゃんツナ」

「何年お前と一緒にいるとおもってんだよ!美夜の行動パターンくらい分かるよ」

ため息疲れちゃったよ。
てか、皆いつのまにかにご飯食べおわってるね。
あたし全然貰えなかった(取れなかった)よ。

「じゃ、掛けなおして見れば?」

花ちゃんそんな簡単に、あたしもそれに賛成だけどさ。
ちなみにその携帯は只今あたしの手の中にあります。
わぁー待ち受け画面並中の校舎だー
これ、雲雀さんのじゃね?
風紀委員のとか…
ありえないか。あのごっつい人達がこんな可愛らしい物をもっていると想像したくもない。

「じゃ、掛けなおすね」

発信ボタンを押した。
プルルルと音がするものの中々でない。

「誰がでんだろーな!」

「何楽しんでんだ馬鹿ッ」

「お化けだったり…してね…アハッ」

そーんなお気楽な会話しちゃってぇー
1人物凄くビビってるやついるけど。

「美夜ちゃん、まだでないの?」

「うん。おそっ」

「持ち主も諦めたんじゃないの?」

えーそんなぁー
つまらんよー

―…ガチャ

「繋がった!!」

え、ちょ。何で逃げるの?せっかく繋がったのに―!

「もしもーし、雲雀ですけどー」

「何故雲雀さんに!?」

ツナうるさいよー!
学校愛どうしなら名前わかるでしょー
それにしても、返事なしかい?無視かい?

「もしもし?聞こえてます?」

あれ、ちょっと後ろから悪寒が…

『―…て』

「え?」


―ガシッ

「ぐわっ!」

誰だあたしの頭を掴むのは!痛い、痛い、痛いっ!
ちょ、携帯おとしちゃったじゃん!

「て、雲雀!?」

「僕の昼寝の邪魔して群れといて勝手に人の名前使って電話してるなんていい度胸してるね」

「す、凄いでしょ。もっと褒めてくれてもかまわ「咬み殺す」ぎゃぁ!」

頭蓋骨われる!われるよ!めきめきいってる!ちくしょーだからおまえら離れたのか!

落ちた携帯を拾おうとした時、


『―…会い、に、行くから…待っててね』


霞んだ低い声だけれどとても綺麗な声が携帯から屋上に響いた。




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