あまりの光景に思わず見いってしまったが、これは一体なんなんだ? 並盛であって、だが何かが違う。 僕の知らない生徒、教師…て事はこれは相当昔の事なのか?たった5年のうちにこんなにも変わるわけがない… じゃあ、僕が見ているのは伊藤浅黄であって5年前から消息を絶っている子はどうなっている? 「5年前の事件と繋がっているのか…」 考えて見たものの行方不明になっているのが彼女なのにもう一人の誰かが思いつくはずがない。 それとも僕が見ているこの映像は彼女に似ているもう一人の奴だとか。 『…邪魔』 突然パソコン画面でドラマチックに映っていた彼女がこちらに振り向き話しかけてきた。 怒りが要り混じった低い声は本当に女なのかと思わせる。確かに彼女は僕に向かって「邪魔」だと言った。 その理由は僕が真実に近づいているからじゃないか?ふっ。僕を巻き込んだのが間違いだったんだよ。精々後悔するといい。 気分良くしていたがこれはこれで面倒な事になったんじゃないか?段々と画面越しからこちらに向かってくる女は確かにこちらを睨んでいる。殺そうとしている。だったら咬み殺すまでの話だ、もともと変な事に巻き込まれ苛立っているんだから、その根源を倒せるなら好都合だよ。 画面から出てくるのを待っていると突然電源が消えてパソコンの画面は真っ黒になってしまった。 今度は砂嵐が起きたりまた電源が切れたりの繰り返しが起きている。しまいには教室の前のボードにパソコン画面の映像が大きく映し出され教室中に砂嵐の音が響く。うるさい。 …―だ、め 「今度はなんだ…」 さっきの低い声とは違い透きとおるような綺麗な声が一瞬聞こえた。だけど、砂嵐がその声を打ち消す。 『じゃ、ま。こ…―すの』 今、あいつ僕を邪魔で殺すて言ったよね。完璧言ったよね。上等だよ。掛ってくればいい、僕はいつだって相手になる。来るんだったら生身の体で来るんだよ。実体のない物を相手にするのは僕だって流石に不利じゃないか。 ―バァァァァンッ! パソコン室のドアが大きな音をたてて開くがまた閉じようとしている。まるで誰かが開けてそれを阻止しようとして居る様に。これは外に出ろと言っているのか?僕に逃げろと?冗談じゃない。いくらなんでも買われた喧嘩は買うからね。 …―はや、く出、て …伝え、て、私は―… 綺麗な声が言いかけたとき急に低い声の女が発狂したような笑い声が教室中を響きまたもや声はかっ消されポルターガイスとの様にキーボードやら、マウスなどが揺れ始めた。 とりあえず、此処で僕が闘うのはまだ早いて事か。 仕方なしに閉じかけていたドアをすり抜けてパソコン室から出るとまたもや大きな音をたててドアが閉まった。ガタガタ音のするパソコン室を背にとりあえず休める場所を探して走る。 痕が消えて涙を零す 「放送室に初めて入った」 「こんな状況で初めてとは最悪だな」 「俺も最悪に入んのかよ」 山本は苦笑いで獄寺に取り合えず無事でよかったなーと話を変えて振った。 山本でも気遣うんだね。あ、ごめん失礼だった? 部屋は二つに分けられていて奥は机と椅子が向き合うように二つと奥にまたもや二つ。 大きな窓が間にあってあれ、取り調べ室みたーいなんて思ったりしゃったりしてちょっと浮かれてる。 入ってすぐの部屋は音楽を流したりとかする機械があって、うーん。なんか道具が沢山ある。 此処で今まで掃除とかの放送はされていたのかと1人で関心していると獄寺にまたもや後ろから頭を引っ叩かれた。 痛い。あちきだって女なんだよコノヤロー あぁ、あたしの事命がけで守ろうとしてくれたんだキュンて気持ち返せ!くそっ。 「何1人だけ満足気にしてんだ馬鹿!」 「馬鹿て言う方が馬鹿なんだよ。あららー。あたしに馬鹿て連呼する獄寺はかなりの馬鹿になっちゃったね。どんまい」 「うっぜぇ」 「山本…あたし確かに毒を吐いたはずなのに獄寺が緩まない事にかなりのショックを受けてるよ」 よそよしと頭を撫でてくれた山本にお兄ちゃーんと抱きつこうとしたら全力で否定されて泣きそうになった。なんだこの飴と鞭は!! 「はぁ、袋の鼠だね」 「ん、な事お前に言われなくてもわかってんだよ!」 「わかっていても口に出すのがわっちの癖なんじゃい!」 なんか文句あんのか?えぇ? こんな風に獄寺が突っかかってくるからこのときマイクのスイッチが入ったのに気づけなかったんだよ! |