[携帯モード] [URL送信]
:0 喉を掻き切る勇気



まぢ最悪。どうやらあたし浅黄さんにめちゃめちゃ嫌われてるらしいな。
鏡を見たら首を絞められた跡があって、夢の中での事が本当になるとは思わず獄寺を疑ったが、違くて…
山本に呼ばれて獄寺の後から行くと、彼の背中はあたしを窓ガラスから庇った制で傷だらけだった。ワイシャツがところどころ破けていて、血が滲んでいる。
重い。なにこれ?疑うんじゃなかったなぁ
てっきり獄寺はすっごくあたしの事嫌いなのかと思ってたよ。えへ。意外に大好きだったんだね!
馬鹿な子ほどかわいいて言うもんね!あ、これ一応反省してるから

山本の元へ行くと一冊のノートを開いていた。
確かこのノート保健室を利用した人の名前を書くやつだよね?
シャマルはこんなのなくても利用した女子の名前はっきりと覚えてるから使ってないんだっけ。

「これ、あいつの名前しかねーじゃねぇか」

「な?おかしいだろ?それに全部打撲とか、切り傷なんだぜ?」

「随分おっちょこちょいな人だと見た」

「ん、なわけあるか!こりゃあ意図的にやられてたんだろ…」

山本が顔をしかめた。こーゆうの大嫌いだもんね
夢の中で見た浅黄さんがボロボロだったのはその制かぁ
ヤバい!話しが難し過ぎて頭が回らん。あたし基本殺られそうになったら先に殺れがモットーだから…
これツナに行ったら怪訝な顔されてマフィアに向いてるて褒められちった。

「ん?」

浅黄さんの携帯じゃなくてあたしの携帯に着信が入る。
サイレントで音しないのに気づくんだぜ!すげーだろー
これ才能だと思う。獄寺が発信者の名前を見て目を輝かせる。

「ツナからなんてめずらしーのな?」

「十代目は俺達を心配してくださってんだ!」

確かに…ツナは携帯を持ってても使い方がよくわからなくてほとんど飾りになってるのに…
あたしが直々に教えてやるつーのに説明書見た方がいいなんていいやがってあのヘタレ野郎!

「もしもし?」

変に期待してる獄寺と心配そうに様子を窺う山本。鼻を啜る音がよく聞こえるから教室か、階段にいるのかな?
何かがおかしいと思って2人から離れてさっきまで寝ていたベットに腰かけた。
近づこうとした獄寺に来るなと合図を送りゆっくり話しかける。
殺してしまっただの、少女に化けていた鼠が襲ってきたから椅子を持ってどーたら、京子ちゃん達は先に逃げて。俺どーしたらいい?と聞かれても困るのだが…
あたしどーしたらいい?慰めてどうなる?
寧ろ慰めなんか無駄じゃん?
よーするに鼠殺しちゃって罪悪感に押しつぶされそうなんだろ?あたしが変わってやるよ!で、すまないじゃん。

『美夜っ…お、俺っ!…ぐずっ』

「ツナが殺したんだよ」

『そっなんだよ!俺がっ…おれ』

「あんたは2人を守ったんだよ」

『でもっ、それでも!』

「そうだね。悪い事には変わりないけど、京子達を守ってくれてありがとう」

『俺はっ、守れてない』

そう思っているのは自分だけ、鼠さんは別にツナを恨んで死んでいったんじゃないよ。
ツナが鼠を殺すことを躊躇ったように、自分を殺すことを躊躇ったツナを傷つける事にきっと苦しかったんだと思うよ。そんなの私の意見で、本当はどうなのか分からないけれど…
ツナが悔やんだように、花ちゃん達もあんたを置いて逃げた事に後悔してるよ。
だから、早く追いついてあげな。あんたを信じて2人は走ったんだから。
できるだけ、感情をこめて話した。ツナが落ち着くように…その様子を不安げに見る山本達に少し笑いかけて「大丈夫」と知らせる。
『うん』と返事をしたツナは電話を切った。
通話の切れた携帯電話を見て、ため息をもらす


気もない


ツナの傍に入れたらたぶん殴ってたなぁー
いや、ツナはあたしを殴ってくれただろうな。
獄寺を傷つけたあたしを責めて、ちゃんと叱ってくれたよな…

「ツナ、大丈夫なのか?」

「あ、うん。少し疲れた見たい」

疑うように見てきた獄寺に苦笑いで手を振るう。
おいおい。あたしどんだけ笑ってんだよ。顔疲れてきた…ポーカーフェイスなんだよ!
しばらくずっと無表情だよこれ

「…うっ…うっ」

急にカーテンが掛ったベットから人間の唸り声が聞こえて一斉にそっちに振り向く。
もしかして、あたしこの隣で寝てたの?変な夢だって見るよそりゃー

「がはっ…!…うっぅう゛」

一歩一歩下がる。懐中電灯ねーのかよ!この部屋汚すぎだろ!なんでこんなもの散らばってんの?あたしが寝てる間に獄寺と山本喧嘩したの?
喧嘩するなら拳でやれよ。男だろーが。

―ツーっ

「絵の具?」

「血しかねーだろっ!」

カーテンの隙間を通り床に流れて赤い液体。え、ちょ…カーテンの奥の人大丈夫なのコレ?さっきの咳て血を吐いてたの!?

「出るぞ!」

獄寺の負担にならないようちゃんと自分で走る。
どこへ向かうんだかわからないけれど保健室を出ると凄い突風に襲われバランスを崩した山本と共に真っ暗な部屋に入る。獄寺はすぐにドアをしめ電気のスイッチを探した。暗いの平気なのか?
それにしてもこの部屋保健室から大して離れてないよね…



あきゅろす。
無料HPエムペ!