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:w 水槽底に沈む熱帯魚




雲雀殿は機嫌が悪いようだ。
せっかく偽物雲雀の正体を暴いてやったとゆうのに何故トンファーをあたしに向かって振るうんだか…
お礼くらいいいなさい?ほら。
今なら一回でいいからさ。
あたしが雲雀の弱みを握ろうとしたからこうやって区別できたんだからね!
だからせめて、殺気をしまおう?
その殺気は本当の敵に向けよう?ほら、あいつ俯いてまた何かしようとしてる!ツナ達はちゃんとそっちを見てるでしょーが。
つーか、少しはあたしの心配しろよちくしょー!

「動くな」

「そりゃ無理な事いいなさんな」

「君は此処で僕が殺してあげる」

「今そんな物騒な事言うのやめよ?ヘタしたら皆死んじゃうかもしれないんだからさぁ」

あ、痛い。皆の目線いたい!睨んだよね!全員一斉にこっち睨んだよ!「お前だけ死ね」見たいな感じだったよね!

―〜♪

「!」

あの白い携帯の着信音が鳴ったと同時に雲雀は私に振りかざそうとしていたトンファーをピタリと止め音の鳴る方へからだを向けた。
ありがとう呪いの携帯。寿命が延びたよ…
雲雀の姿をした誰かを見るとまだ下を向いていて、気のせいだか髪が伸びていないか?
あ、でも気のせいか。
雲雀は机にあった携帯をとって睨んでいる。電話に出るのかと思ったら怖い顔して眺めているだけだったので、奪って通話ボタンを押す。
電話に出るまで着信音は鳴り続ける。そして、この怪奇は終わらないだろうに。

「何ようだね」

携帯を横から取られたのが気に食わない…寧ろあたしの事が気にいらない雲雀君はすごい力で肩をつかんできた。
はずれる!肩はずれるだろ!
痛みを我慢して話しかけるがまったく返事はない。
繋がってるはずなんだけどなー。

一方的に話すのって悲しいね。涙でてきちゃいそう。いや、痛みでかも。


『…いない、あ…な、い』

「誰が?」


しまったぁぁ!!せっかく話してくれたのにいつもののりで話しかけちまったぁぁ!違うの!
アレ心の声のはずなんだよぉ!

「何してんの君」

「お前なぁ!何でいつものノリで幽霊に話し掛けてんだよ!」

「質問されたから黙っちゃったのかな」

雲雀ぃ、何で肩から手ぇ話して後ずさってんだよ。
お前達電話でなかったくせぇに偉そうだな!
あたし頑張ったんだよ少し。
でも、あの綺麗で透き通る声はあたしと獄寺、山本をストーキングして、皆を殺そうとしてる伊藤浅黄さんだね。漢字難しいなぁ
そして、浅黄さんは繊細な人なんだな。

―パリッ

いつの間にか電話は切られていた。
偽雲雀の後ろの窓を見ると雲雀の制で割れた窓以外罅が入っている。
(偽)雲雀て例えているけれど姿はもう雲雀じゃない。電話に気をとられていた間に本の姿に戻ったようだ。目の前にいるのは浅黄さん。
黒い腰まである髪にボロボロ並中の制服を着ている。
前髪が長いけど2:8でわけてるから俯いてなきゃ顔の右側は見えるだろう。

「京子ちゃん、花ちゃん早く応接室から出て!」

「「「俺たちは出なくていいのか!」」」

うっせーな並中トリオ。
風紀委員長を見習え!自分だけ先に逃げようとしてんぞこいつ…
人に言われる前に危険をさっちしてんだよ。白状者!

―パリッビッ…ッ

これはヤバいのではないか?ドアの前に集まって様子を窺う。
京子ちゃんと花ちゃんが一番ドアに近くドアを開ようとしていて、2人を守るように並中トリオ…その前に恐ろしい奴とあたし。
なんか順番おかしくね?普通あたしも京子達と同じ位置くらいにいるはずなんじゃね?

「なんかおかしくね?」

「馬鹿!こっち向くな!前見てろ!」

「獄寺君あたしは今大事な話を」

「気にすんじゃねー!だから前を見て」

話を途中で止めたと思ったら腕をひっぱられ平な胸におしつけられた。

―バリィィィンッ

あたしの前は獄寺の胸板で煙草の臭いが邪魔して何が起こったのかよくわからなくなってる。

「ちょっ…くるし!」

前が見えない…

「黙ってろ!」

あれ?これ…抱きしめられてるんですか?
宙に浮いたと思えば痛みもなく、背中にまわされた手が離れたら今度は左腕を引っ張られ廊下を全速力で走らされた。













走ってる中頭を整理…窓ガラスが完全に割れてこちらに破片が飛んで来たんだ。
そんんで獄寺が勢いよくあたしを抱きしめたまま廊下に向かって飛んだから足が床から離れたのか。
痛みがないってことは…獄寺が庇ってくれたて事か!?
そんで…応接室から離れようと走ってるてわけか。

「獄寺かっこよ!」

「だよなー」

「あれ、山本頬きれてるよ?」

「今、居たんだ。て顔したのな」

「窓ガラスでか…気配もなく後ろにいたからわからなかった」

獄寺は前を向いたまま走り続ける、後ろで獄寺に腕をひっぱられながら走るあたしと山本が会話を繰り広げる。
しだいに腕を掴んでる力が強くなってるような…

「俺よりも獄寺の方がひでーぜ?美夜を庇ったんだからな」

「感謝するぞ。帰ったらツナの家の夕飯を御馳走するよ」

「それ、お前なにもしてねーじゃねーか!」

しゃべった。獄寺話さないからてっきり我を忘れてるのかと思ったよ。
暗い廊下を、行き場もなく走り続ける。
京子ちゃん達はどこに行ったのだろうか…





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