鳴らない携帯。 貴方からのメールを待っていました 貴方からの電話を待っていました まだ、こない まだ、鳴らない 何時もなら来るのに、 何時もなら貴方の声が聞こえるのに。 ドウシテ――‐‐? そ し て 悲 劇 は 繰 り 返 す 彼女はいつも誰かを待っていた 彼女は一人が好きだった 彼女は「人」が嫌いだった だけど彼だけは特別だった 三階の一番奥の教室の窓側の1番後の席 彼女は携帯の待ち受け画面を見ながら言った 「もう、あえないの?」 教室に居た人達がそれを聞いた それっきり彼女の姿を見ていない。 鳴る事のない携帯だけが、 彼女の机の上に置いてある。 鳴らない携帯 |