やっと安心…じゃねーや。 雲雀の制で私は全く安らげなかった、応接室にむかって走ってくる複数の足音に不安を抱きしーんと静まりかえったこの部屋では静かになったわりにドアの前に立ちはだかるお2人さんはとても物騒なものをもって眉間に皺を寄せている。 足音よりこっちの方があぶねぇよ。校舎壊す気満々だよ! いざとなったらこの2人を置いて窓から木に飛び移り何処かへ逃げよう…ね。 「「……。」」 …とか何とか薄情な事を私が考えるはずないから睨むのはドアだけにして下さい。 ―バぁぁんッ ほら余所見してるからドア開けられちゃったじゃん。 雲雀が駆け込んで来た何かにすぐさまトンファーを振りかざす。 「うわあああ!!」 その何かは後ろに尻もちついてそれに躓いて後から入ってきた人が転んでいった。 そんなギャグ的なのをするのは人間だよ。 第一さっきの叫び声は小さい時からよく聞いてるから聞き間違いするはずないしね。 致 死 量 の 甘 い 薬 応接室に駆け込むとすぐさまトンファーが飛んできた。 京子ちゃんの手を離しておもいっきり尻もちついてギリギリ当たらずにすんだけどお尻痛い! その後も俺につまづいて山本と黒川こけていた。 雲雀さんは俺達だと分かるとすぐさま応接室のドアを閉めて社長椅子にため息をついて腰かけた。 「ご無事でしたか十代目ぇ!」 「う、うん(さっきので死かけたよ)!」 「ほんとうによかったです!」 「獄寺君達もね」 俺お化けじゃなくて雲雀さんに殺されそうになったけどね。そこらへん心配してほしかったな。 黒川と京子ちゃんの傍に寄って「よかったよかった」と頭を撫でる美夜を見たら何だかほっとした。 気のせいか山本が獄寺君を睨んでいるような気がしたけど今はそれどころじゃない。 「で、…赤ん坊から聞いた事を早くいいなよ」 「てめぇに言われなくても今からはなすっつーの」 何で獄寺君喧嘩ごしぃぃ!雲雀さん群れるの嫌いでもともとイラついてて今怒りMAX状態なんだからさ! 落ち着いて謙虚にいこうよ!それでさえ咬み殺されない事に疑念を抱いてるんだよ俺! 山本、獄寺君、俺でソファーに座ってその向かいに黒川と京子ちゃんもちなみに美夜はその間で何故か雲雀さんと睨みあってる。 獄寺君に聞いたら「美夜が悪いんっすよ」とあきれた感じで言っていた。 「私のどこが悪いのさ」 「どこがって…全部じゃない?」 「ツナが言うのか―い!そんでもって全部じゃないだろう!」 もういいから。変に話を広げるなよ。 早く獄寺君に話をさせろこの馬鹿! お前今日で一体何回言われたんだよ!だんだん慣れてきてるだろ! でも、京子ちゃんが笑ったから許す。 下駄箱であってから京子ちゃんずっと不安そうな顔で笑わないから俺ずっと気になってたんだ… よかった。黒川は相変わらず澄ました顔してるけどさ、 「じゃ、あたしが言うわよ。全部」 「花ちゃぁぁん!」 「うるさいわね。少し黙りなさいよ!あんたのプラス思考が羨ましいわ」 「それいい所じゃね?全部じゃなくね?」 「大丈夫だよ美夜ちゃん。花は冗談で言ったんだよ」 多分冗談じゃないと思うよ京子ちゃん。でも、黒川が否定すんのめんどくさそうにしてるから俺も黙っとく。雲雀さんがさっきの会話でちょっと笑っていたのも見なかった事にしよう。 「…そーいえば、山本どうしたの?」 「あ、ツナ…わりぃ。ちょっと考え事を」 「十代目に心配掛けさせんじゃねぇ!」 いやいや。ちょっとじゃないよね。おもいっきりだよそれ。山本がそんな真剣な顔で天井を見つめてたらすっごく何考えてんのか気になるよ! 「獄寺…お前も男だな…」 「は?何言ってんだ野球馬鹿っ!」 「女を泣かす―よな奴は最低だぜ?」 「俺がいつ泣かせてんだよ!つーか、興味ねぇよ」 「いや、もういいよ。そーゆうキャラ作りとか、本音言っちまえよ」 山本ぉおおおお!! 何を真顔で言ってんの!?そーゆうのは今の状況を解決してから話そう!そんでもって美夜は「最低」とか煽らなくていいから! 「本音がこれだ!!」 「…そーか!ならよかったのな」 何がいいんだかさっぱりわからないよ山本。 俺まったく理解できなかった! 取り合えず皆リボーンの話を聞こうよ! |