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リボーン君から電話来てたことすっかりこってり忘れてた。あはは。
社長椅子に座って外を見る雲雀のするどい睨んだ眼が少し見開いていた。
私は絶対外見ないぞ。希望を捨てちゃいかんよ。
なんか外見たらどーでもよくなってこの状況を投げ出してしまいそうだからさ、
いや、でもやっぱりツナの母上のご飯は食べたかったな…
だけど私だって女よ?怖いもんは怖いのさ。

「携帯を睨んでねーで早く電話でろよ」

「獄寺君。私にだって心の準備があるんだよ」

「おめーの準備には時間かかりすぎんだよ!リボーンさんがどれだけ待ってっと思ってんだ!」

「女は色々と時間かかるんだよ。きっと坊やはいい男になったさ」

リボーンさんはもともと良いお人だと戯言を吐く獄寺を無視して電話にでた。
『おせぇぞ』と殺意のまざった可愛い声が聞こえてなんかすぐ電話きりたくなった。
あーこれ無事に帰れたらリボーン君にバーンて撃たれそう、え?じゃあ危険度はあんまこっちと変わんなくね?むしろ向こうの方が危険かもしれないじゃないか。

『お前等いま何処にいんだ?』

「いやいや、そりゃこっちが聞きたいよ」

『いや、俺の方が聞きてーよ』

「いんや、私の方がっ」 ―ガっ

痛い。これは地味にとかじゃなくすっげー痛い。
雲雀が投げてきたのは英語辞典。だってソファーに落ちてるし、この厚い辞典が私の頭に直撃してソファーに落ちてるんだよね、これ普通だったら死んでない?
てか、私生きてる?大丈夫?

『なんだ今の音は?』

「…英語辞典が飛んできた」

『そうか。…大変そうだな』

えへへ。分かってもらえます?獄寺に電話を代わってもらい雲雀に辞典を投げ返す。
見事に避けられて窓にあたりバリーンと大きな音が響く。獄寺が「静かにしろっ!聞こえねーだろ」とかなんとか言ってるけど私にはそんなの知りませんよ。
超不機嫌そうな雲雀君に八つ当たりされるし、私だって怒りたいよ(誰に?)! 

「何校舎壊してんの?」

「雲雀さんが避けなきゃ壊れなかったのにね。」

「君が投げなきゃ割れることなんかなかったのね」

「その前に私に投げなきゃよかったのにね」

「君が僕をこんな事に巻き込んだんじゃないか責任とりなよ」

立ち上がってやりかけの書類がのってる机に手を掛ける。雲雀は立ち上がりはせず社長椅子に座ってる、立ってるあたしの方が高いから見下せる感じになるはずなのに、なんで高さの低い雲雀がそんな眼できるんだ!
卑怯だぁ!バチバチっと火花が散る感じで睨みあっている、その様子を獄寺は見てため息をついてリボーン君の話を真剣に聞く。

剃刀を左手に


私の代わりに頼んだよ獄寺氏。わたしはこいつを倒してすぐさまそちらに向かう!

「責任て何さ、さっきからぶすくれちゃってさ!可愛いじゃないか!」

「美夜を咬み殺せばなんかすっきりしそうだ」

「私を殴ったって何の解決もしないよ!」

「いや、僕の苛立ちはなくなる」

「何それ、私が根源だっていいたいのかい?え?」

「ワォ 気づいてなかったの?あぁ、そういや君かなりの馬鹿だったね」

ぎゃあああああ!今の笑みないです。人を小馬鹿にした笑い!あの雲雀君が私に笑みを向けてくれた!キャハッ!て感じになれんよ!
そーやって人を嘲笑って楽しいですか?馬鹿、馬鹿って…あー本当に私馬鹿なのかな?正真正銘の馬鹿なの?不安になってきちゃったよ、もー

「何、本気で落ち込んでんの」

「うっせーやい」

「まぁ、いいや。しばらくそうやって落ち込んでなよ」

ソファーの上で体育座りしてへこむ。
なんかすっきりしたような雲雀の顔はイラってくるけど言い返す気力が…私今日一日で酷い言われようだなぁ

「美夜」

「ん?」

リボーン君と話終わったらしく獄寺が携帯を返してきた。今の今まで電話してたのか…向こうの通話料金いくらとられるんだろ?
戻ってきた自分の携帯を握りしめると獄寺がもってたから生暖かい。そーいやぁ、問題の白い携帯を獄寺は今どこしまっているんだろうか?
また余計なこと言う感じになるからほっとこ。

「赤ん坊はなんだって?」

おぼえてろよ雲雀!いつか仕返ししてやる!絶対「馬鹿」て言ってやるからな!
窓ガラスが割れた(雲雀が避けた)所為で外の風が応接室に入ってきて寒い。この季節こんなに寒かったけ?
リボーン君から聞いた事を獄寺が話そうとしたら廊下から複数の走る足音がした。

「こんなんばっかり」

「どうするの?」

「つーか、逃げ場がなくねーか此処?」

…獄寺氏…君頭良いね。そーいやー応接室の出入り口は一つだけなんだった。此処で襲われたら軽くENDだよね。しーんと静まりかえったと思ったら2人とも席を立って戦闘態勢に入る。睨む先はたったひとつのドア。





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