群れたくない。群れたくない。群れたくない。
咬み殺したい。咬み殺したい。咬み殺したい。
覚悟できてるよね?殺ていいよね?僕が悪いんじゃないよね?
「はーい。よちよち。怖いのねー、お姉さんがいるから大丈夫だよー」
「あ゛ーうっせぇ!さわんじゃねぇ!隣くんなよっ!」
獄寺隼人、君も十分うるさいしその煙草の臭いが僕の癇に触る。
美夜に至ってはある意味問題外だ。だってアレ完璧喧嘩売ってんでしょ?殺してくださいていってるんでしょ?
それで、この2人はなんで僕の後ろを歩くのさ!
歩くペースを遅くすれば遅くなって早くすれば早くなる。なんなのっ!無性に腹立つんだけどっ!
自分が群れてること自体嫌なのに、それに加えてこの2人てのがほんっと最悪だよ。
こんな状況じゃなかったらこいつらとっくの昔にトンファーでぐちゃぐちゃにして裏庭に捨ててる。
「あれれー?雲雀怒ってる?」
「……。」
「恐い?手繋いであげようか?」
「その話し方やめないと無理やりにでも黙らせるよ」
「えー」
棒読みで全て喋る美夜に苛立っているのは獄寺もだ。これは、僕だけじゃないんだね。
よく考えれば黙らせるってどうやって黙らせればいいんだ?
暴力的にやろうとしたら獄寺が口だししてきて面倒になる。じゃあ、性的に?いやいやいや。風紀委員長だよ僕?ヤっちゃっていいのかい、おい?むしろ僕のファーストをあいつにあずけるのも嫌だな。
「なぜ黙りこんでいるんだい雲雀君?」
「…今君と話したくない」
「何故だ!?」
「お前と話してると疲れんだよ」
「なんだと獄寺氏!獄寺氏も話すたび煙草の臭いがしてちょっと困るんだぞ、嫌じゃないんだけどさ」
「嫌じゃねーのかよっ!」
黙れよこいつら。頭痛くなってきた…
がんばれ僕。あともうちょっとで応接室じゃないか。
此処は廊下で、ちかも暗いから声が響いて余計うるさく感じるんだ。そうだ、きっとそうだ。
「あ、応接室はっけーん!」
頭に肩手をあてため息をついたら、美夜が指をさしながら走りだす。その後を獄寺が「あぶねーだろ」と追いかける。
おかしいな。僕は応接室の電気をつけっぱで出たはずなのに電気が消えている…
それとも、ちゃんと消したのかな?
「失礼しまーす」
「ちょっと待t」
―ガラッ
僕は止めたから。ちゃんと人の話は聞こうよ。
獄寺はズボンのポケットに手を入れてダイナマイトを出す準備をしていたらしい。僕はこの2人を置いて走る準備とトンファーを取り出そうとしてた。
しーんとなって美夜の足音だけが鳴る。
応接室の電気がパっとついてドアから美夜が顔を出して僕たちを呼ぶ。
「早く入ってきんしゃいな」
「何語だ?」
「寿命が縮んだ」
全て投げ出して逃げてしまいたい
中に入ると意外に普通だった。僕はいつも通りソファーではなく愛用の椅子に腰掛ける。
机の上には僕がやりのこしていた書類が置いてあった。変な心配してしまったな…
「私がいつも寝るソファーだ」
「てめぇーサボる時此処にきてんのかっ!」
「僕も初耳だ」
いつもって…僕の留守中に君は此処でサボりをしていると?よくもまぁ、バレなかったことで…
草壁をこれが解決したら問いただそう。
「ちっ。バレたか」
「まったく困った顔してねーじゃねーか」
「君て無表情か笑うかしかないよね」
「笑顔が輝いてるでしょ?」
「「……。」」
「無視かよ」
冗談でもよく言うよ。真顔なのか感情が特にでないのかどちらかにしてほしい。
さっきのはたぶん、真顔なんだとおもうけどね。
窓の外に目をやると学校から外の景色が真っ暗で何も見えない。まるでフェンスから先は何もないと言った状態だ。全てが闇、逃げ道などない…
「あ、リボーン君から電話忘れてた」
できれば今は携帯と言う物を見たくない。美夜の右手には着信音のならない携帯が握られている。
確かに小さな赤の光が点滅していた。
赤ん坊…いつから掛けてたんだろう?
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