[携帯モード] [URL送信]
:x 全て投げ出す



うーぞくぞくするよー!
階段の電気を山本がつけようとしたがつかなくて、仕方なく月明かりで照らされた階段を上がり応接室に向かう廊下を歩く。
自分達の足音でさえ恐い
黒川、山本、俺の隣に京子ちゃんで歩く。
俺はもう、絶対黒川には逆らわないぞ。獄寺君にも偉そうなこと言わせないようにしないと…

こんなにこの学校大きかったけ?
教室を通り過ぎるたびに誰かいるんじゃないかって不安になる。ああ!何で俺こんなに後ろ向きなんだよ!
前向きに生きよう!美夜に前向きに生きる生き方を教わろう!

「そう言えば昇降口の明かりをつけたのって黒川なのか?」

今まで変に焦っていた山本が口を開いて沈黙がとかれた。

「?あたしじゃないわよ?あんた達じゃないの?」

「「……。」」

何も聞かなかった事にしよう。だって山本もなかった事にしてるし。
また、無言になって歩き出す。
この空気やだよ俺、寒気がしてきたー!京子ちゃんの方を見ると涙は引いたのか不安な表情を浮かべていた。

「あれ…」

今度はなんだろう?黒川が立ち止ったので皆歩くのをやめて前をよく見る。

「あかりだ!」

「でも、あそこ応接室じゃないよ…?」

京子ちゃんの言うとおりあそこは応接室じゃない。
じゃあ、どこの部屋だ?むしろ部屋なのか?
こんな所で立ち止まりたくないよーいや、かといって教室の中も入りたくないんだけどね。

「トイレじゃねーか?」

山本が少し近づいて様子を窺って来た。
山本、京子ちゃんの話聞かないで近づいたんだろ。
応接室だと思ったんだろうな…

山本が手招きする所までかけよると確かに小さい女の人と男の人のマークが赤と黒で描かれている。

「やだ…トイレて定番じゃない」

「だ、だよね」

此処をまっすぐ進めば応接室だというのに…
かといって昇降口に戻って下から行くのもアレだよなぁ

「ど、どうする?」

「立ち止まっててもしゃーねし行くか!」

「あんたが先頭ね」

え!?て驚いた顔をした山本の背中を黒川が押して進む。どんまいだよ山本…
京子ちゃんは後ろから俺の袖を掴んでいる。
正直俺も誰かの掴みたい。黒川さんいいですか?

トイレの前まで来た、が明かりがついているだけで別に何も起こらないから後は通り過ぎるだけ!
でも、そんな上手く行くわけないんだよねぇ

―バンッ

「ひっ!」「!!」

男子便と女子便のドアにある小さな窓から誰かが窓を平手で叩いた音がした、
しかし手形はついているけれどその手はない。
き、気のせいかな。京子ちゃんの袖をつかむ力が強くなった。

―バンッバンバンバンバンッバンバンバンッバンッババババババッ

大量の手が窓に張り付いて中には赤い液体がついているものもある。

「きゃあああああああああ!!」

俺は叫ぶことができなかった。代わりに京子ちゃんの可愛らしい悲鳴が廊下に響いて走りだす。
後ろからまだ窓を叩く音が聞こえる
黒川の手を引いている山本の背中を京子ちゃんの手を引きながら必死に追いかける。




しげ


たて



「あ、京子ちゃんの悲鳴だ」

家庭科室から応接室に向かっていたら京子ちゃんの悲鳴が聞こえた。
薄暗い廊下を獄寺と雲雀の背中を見て歩く。

「君も女らしく恐がったら?」

「笹川見て―な悲鳴出してみろ」

ある意味問題発言じゃないか?よその人から聞いたらこれ危ない感じじゃないか?
色々危ないんだけどさ、色んな意味で。

しかし、そんな冷たい眼を男2人に向けられて傷つかない私でもない。
今のは結構グサッと来てる。
私だって出させるんだったら出して―よ
女の子らしい声なんて生まれてこの方出た事ねーよ

「…うーん」

「悩むなよ!」

「はぁ、無理やりだすもんでもないでしょ」

しかしね、私も一応女だから出してみたいわけよ。
「きゃー」と言ってみるが獄寺に技とらしいと駄目だしをくらった。
それより京子ちゃん達は大丈夫なのだろうか?

「十代目はご無事だろうか…」

「これ以上群れるの嫌だし無事じゃなくていいよ」

「ん、だと!てめぇ!」

「本当は獄寺隼人。君といるのも凄く嫌だ」

そーですね。雲雀さん群れて歩くなんてなれないから照れてるのね。
本当は凄くうれしいの私知ってるからね。

―バシッ 「うざ」

…おかしいよ。なんであたし頭叩かれたんだろう?
「うざ」だって。ざまーみろって感じで見ててイラつくんだけど。
声に出してないよ今?「その笑みがムカつく」て、ひどくね?




あきゅろす。
無料HPエムペ!