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:o 生きたがりの現実




「ツナ大丈夫か?」

「う、うん。」

獄寺達と二手に分かれて、逃げ切れたのは良いけど完璧はぐれちまったなー
集合場所決めとけばよかったのな。
そこまで頭が回んなかったぜ。

「でも、校舎の中入れてよかったね」

「だよな!校門に鍵かかってなくて助かったのなー」

獄寺達と別れた後俺達は後ろも見ず必死で学校に向かって堂々と校門から入り昇降口で上履きに履き替えた。
追ってきたお化けも見当たらずどうやら逃げ切れたか、獄寺達の方に行ったのかもしれない…
でも、ま、取り合えずいったん休憩だな。
俺も流石に全速力でかなり走って疲れた
俺なんか走り疲れて、お化けの事忘れそうになってたがツナはあたりをきょろきょろ何度も見渡してる。
やっぱお前すげーのな!

「獄寺君達大丈夫かな…」

「獄寺がいんだし大丈夫だろ!それに美夜もつえーしな」

「そ、うだよね。あの2人なら大丈夫だよね」

まだ不安はあるみたいでツナは自分の携帯に着信かメールが来てないか確認していた。
それにしても本当にくれーのなー
どの家の電気も消えてたし、学校の電気も応接室以外全部消えてるし…職員室くらいついてていいんじゃねーか?

―ガタッ

物音…俺達がいる下駄箱から右の方で聞こえた。
此処には俺達以外いるはずがねぇ。もしかして獄寺とかか?だったら物音より声の方が聞こえるはずだしな
ツナの顔も強張って携帯を握りしめて立ち上がる。俺はツナの前に立って様子を窺う、が何も出てこない。昇降口の電気がパッとついて誰かがこちらに向かってきた。足音が異様に小さくて一人とは思えない…
俺ずっと気になってたんだけどよ、お化けてなんで足音するんだ?透けて見えるのに変だよなー

箒の先の様なものが少し見えて、ツナが「出たぁ!」と叫ぶ。
なんでバット持って逃げなかったんだ俺の馬鹿ーあれ俺の取り柄だろーお化けに打撃とかって聞くのか?いや、せめてあれもっとけば何か役に立ったかもじゃんか。

「沢田!?」

箒を持っていたのは黒川で、そのうしろに笹川もいた。

生きたがりの現実


ちょうど階段の前の下駄箱に居たから怖くてこれなかったらしい。よく考えれば階段て幽霊とかの定番だよな。だからツナも後ろを気にしてたのか―

「京子ちゃん達はどうして此処に!?」

「…学校から出られなかったの」

笹川が泣きそうになりながら答えた。て、事は家にも帰れなかったてわけだよな…
でも、この2人は俺達より先に帰ったはずなのになんでだ?

「帰ろうとしたら帰れないし。誰もあかりも、全部消えてて今の今まで一番端の下駄箱に寄りかかって考え込んでたのよ」

「黒川て男前なのな」

「それ褒めてるの?」

つー事は一体なんなんだ?此処は俺達の知る並盛じゃなかったりすんのか?
はぁー獄寺の彼女の携帯…じゃ、完璧ねーな。
それとも、あいつあのお化けになんかしたのか?
男女交際てむずかしいんだな。
フッたとか…遊んだとか。最低だな。俺達には女は興味ないて言ってたのによー
やっぱあいつも男なのか
おいおい、美夜が危ねーじゃねーか。

「山本どうしたの?」

「ツナ…俺、美夜探してくるわ」

「え!?何で急に、何か分かったの!?」

あぁ!男は狼だー!
…どこさがせばいいんだ?

「そういえば、家庭科室から獄寺みたいな声が聞こえたわよ」

「もしかして獄寺君達も校舎にはいれたんじゃない!?」

2人とも無事でよかったのなー
じゃなくて、暗い学校で男女が2人きりってまずいだろー風紀乱れる!危ない!無事じゃないぞツナ!

「そうだ!俺達、応接室だけ明かりがついて並中に来たんだ!」

「応接室に行けば美夜ちゃんがいるかもしれないの?」

「た、たぶん!」

笹川と黒川は美夜の事が心配なんだよな。
俺的には探しに行きたかったが応接室に行く事が決定された。
階段の電気をつけようとしたがつかなかったので月の光を頼りに進む。




あきゅろす。
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