いつもとは違う髪型に気合いの入ったナチュラルメイク。そして女の子らしさを醸し出す白いワンピースを着て町中でうろうろしている名前を発見しました。
これは声を掛けなきゃいけませんねー
「あ、フラン!」
傍に寄ると寧ろ名前から声を掛けてきましたー
嬉しいけどこっちはデートを邪魔してやろうと思って近づいたのでその純粋に酷く心が痛むんですけどー
そんなにミーを傷つけて嬉しんですか?
えぇ?無自覚とかそんなん余計に惚れちまうじゃねーか。
「これからデートなんですかー?」
「え?わかる?分かっちゃう!?」
頬を染めてにっこり笑う名前を見ると彼氏の方を抹殺したくなるんですよねー
ヴァリアーに居るからこんな物騒な事考えちゃうんですよー
「見るからにこれからデートですってオーラが出てますよー」
「きゃーっ!恥ずかしい!」
照れられると自分の言った言葉に凄く後悔するんでやめてくださーい。
ミー凄く惨めじゃないですか?こんなのベル先輩に見られたらミー部屋から引きこもって任務以外外に出なくなりますよー
ちなみに任務に行く時も自分の部屋から出入りします。
「あのね骸が今度みんなで食事に行こうって言ってたよ」
「それ、師匠じゃなくて名前が提案したことでしょー。多分、師匠はすんごく嫌だと思いますー」
「違うよ?骸も了承って、あ…」
「ほら、名前が師匠に頼んだんじゃないですかー」
そうやって彼氏のお株を上げようとがんばっちゃって!
師匠…次あったら幻術で落とし穴にはめてやるっ。
そろそろ時間だ。と可愛らしい腕時計を見て焦る名前がほんとに愛おしい。
どうせその時計は師匠からの贈り物なんですよね。
壊したいくらいです。そしたら名前に嫌われちゃうんで絶対にそんな事しませんけどー
「じゃあ、またね!フラン」
「さよーならー。食事、絶対行きますんで―。師匠に伝えといてくださーい」
前の日に「クフフ。明日は来れませんよね」て疑問形じゃなく決定的な電話が来そうですー
なので師匠からの電話は絶対出ませんからー
うきうきしながら待ち合わせ場所に掛けていく名前の背中を見送って諦めのつかない自分に溜息をついた。
彼女がミーを愛してくれる日などないのに何を期待しているんだか。
チクチクと痛む心臓
(ミーの師匠なんですから、)
(師匠に勝てる日なんかこない)
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