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僕には精一杯だった 山本




こんなにめんどくさい世の中捨てちゃっていいと思う。だってぜんぜん楽しくないもん。

「うまく通じねえもんだな」

「だから無駄だっていったじゃん」

「俺はお前の見方だぜ?」

「ありがとう。泣きそうになるからやめてよ」

ボンゴレで秘密の会議があった。ほんとは守護者と門外顧問のラルとリボーン君だけが聞く話で絶対外にもらしてはいけないものだった。
その中に父親の為、ファミリーの為に無理やりツナ君と婚約させられた私も話に参加することになった。
気乗りはしなかったけどツナ君がどうしても私に参加して欲しいというのでしかたなく椅子に座るだけの形で了承した。
話の内容はまったく意味がわからなかった。

分けがわからないまま会議は終わってしばらくたってそういえば今日があの会議での仕事なんだっけと思いながら庭の花に水をあげていた。次の日ツナ君が眉間に皺を寄せて今にも泣き出しそうな表情で殺そうとしてきた。

その場はリボーン君がツナ君を止めてくれたけど今私は山本の部屋にお世話になっている。山本はよく私の護衛をしてくれた。そりゃ婚約者だから一杯命は狙われるのだよ。そのたび助けてくれたのは山本。ツナ君じゃない。

どうやらあの作戦は成功したけど外にもれていてかなり手こずったらしい。その情報を外にもらしたのが私だとツナ君はおもっているんだって。ひどいよね。
それにツナ君あたしを殺せないならって、地下室に閉じ込めようとしたんだよ。
ほんとそれを止めてくれた山本に感謝してもしきれないよ。

「やっぱあの会議に出席しなきゃよかった」

「だけどツナに頼まれたんじゃ断れねえよな」

「そうなんだよね。ツナの泣きそうな顔に弱いの」

「名前はツナのこと好きなんだな」

「好きだったけど、もう無理だよ。こんなことされたら情報をバラして私に罪をなすりつけた奴よりツナのこと嫌い」

「…だけどツナはいいやつなんだぜ。」

「知ってるよ。そんなのわかってるけど私には冷たいもん」

どおせツナ君だって好きでもない女と婚約させられて迷惑だったんでしょ。きっと情報をもらしたのはツナ君自信で邪魔な私にその罪をなすりつけて消そうとしたんだ。

「…?じゃあ、なんであんな辛そうだったの?」

隣に座る山本の方を振り向くといつも通りの明るい笑み。
どうして、こんな時に笑っていられるの……

歩幅を合わせることですら僕には精一杯だった

「なあ、名前は裏切りものなんかじゃねえよ」

「俺だってそう思いたいけど名前が、」

「あいつはお前を好きになろうと必死だったんだぜ?そんなお前に嫌われようと思うわけねえだろ」

「違う!名前は俺と別れたくてわざとこんなことしたんだ」

お前が、名前は、名前が、名前に、名前を

そうやってあいつの制だと言うツナはとても辛そうだった。




あきゅろす。
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