少し和み始めたとき… 「あのさ、ひとつ聞いていいか?」 口を開いたのは山本。 「今のお前が本当のお前なのか?」 そう言った山本の質問に、彼女は哀しそうな顔で応える。 「アルジェントボスである限り、ボスとしての私が今は本物だよ」 それはどう言う意味だ。 「?じゃあ、仕事してない時は今まで道理なんだな!」 山本に笑顔が戻る。そう言う意味なのだろうか?ボスである限りて…そんなの引退するか死までじゃないのか? 「やだなー。死ぬまでずっとだよ」 「でも、さっきの部下には…」 部下に見せた、今まで俺達に向いていた筈の笑みはどうなるんだ? 「だってあれは、家族だもの」 あぁ、そうか。彼女はきっと俺と同じだ。仕事をするときは感情を捨てているんだ。 優しさも、甘さもボスには仕事中必要ないんだ。 「だからさ、」 「!!」 無表情で彼女は俺に銃を向ける。 その行動は素早いものだった。 「ボスのあたしはファミリーを守るのが仕事だから抗争はさけたいんだわー」 離し方が冷静なせいで、これは本気て事が解る。 「おい、」 獄寺君が話しかけるのと同時に彼女から鋭い殺気が放たれる。 まるで「邪魔をするな」とでも言うかのように… 「もうアルジェントに関わんないでもらっていい?正直、しつこいし面倒いし。あたしはボスになんなきゃいけないしで疲れるんだー」 なんか愚痴がまざってよね。 後半はごめんね、リボーンがした事のせいだよね… 揺るがない手、有里にとってファミリーは大切なんだ… 当たり前だけど。 敵なのが哀しいよ、同じ立場で考えも同じなのに。 俺はアルジェント、いや、有里を傷つける事になっているのが… 「だから、今後一切アルジェントに関わらないで」 思いと力が込められた言葉。 ここで俺が嫌だと言ったら、君は遠慮なく打つだろうか? ただただ、冷たい時間が流れる。 リボーンは鋭い目線で彼女をみるが、表情は笑っているような気がした。 |