たまたま外の見張りをしていた。 そしたら、見知らぬ顔が居て、 有里が大切に持っていた写真に写っていた奴の一人だって気づいた。 向こうも俺の気配に気づいて、戦闘態勢に入る。 だけど俺は攻撃しろとはボスに言われていない。 「守れ」と言われたんだ。 だから攻撃しないでいた。 どうやら向こうも同じ見たいで鎮まり帰って空気の中で俺達は同時に殺気を消し、武器をしまった。 銀髪のその男は「邪魔したな」と俺を一睨みして帰ろうとした。 「なぁ。」 「あ゛?」 俺が口を開くと思っていなかったんだろう。 そいつは少し驚いていた。 「そっちのボスに伝えといてくれよ。」 「何でおめーなんかの言葉を、」 「アルジェントのボスを、いや有里は絶対渡さない。てな」 「!!お前・・・」 「頼むぜ。ボンゴレ10代目の右腕君」 「待て!」 相手はもう攻撃してこない。 そう分かっていたから背を向け帰ろうとした。 そしたら、止められた。 「てめーの名前は何だ。」 「名乗るほどのもんじゃねーよ、俺は。」 そう、俺は名乗るほどのもんじゃねー 拾い主に思いを寄せる哀れな忠犬だよ。 「おめーがどれほどのもんか何てどーでもいいんだよ。名前を名乗れ。じゃねーと10代目に伝言は届かねーぞ。」 照れくさそうに言う奴は悪いやつでは無いんだろうな。「名無しで言伝を伝えるなんてできるわけねーだろ」そう言われればそうだ。 「Luciano」 「ルチャーノ?」 「あぁ。ボスの右腕だ。」 右手をひらひらと振るとそいつはふっと笑って「伝えておく」て言って帰って行った。 あいつの名前は知っていた。 獄寺隼人 ボンゴレ10代目の右腕だと話を聞いた。 ボンゴレには7人の幹部が居る。 その幹部はすげー強いらしい。 すげー強い幹部がいんだからそのボスもすげー強いんだろうな。 有里は渡さない。 絶対に。ファミリーに留めて置くことがあいつの幸せか?と聞かれたら何も答えられねぇ。 だけど、10年前あいつを失った俺達が、アルジェントがどれほど狂ったことか、、、 お前にだけは言えない。 お前にだけは傍に居てほしい。 |