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言えなかった。




「バイバイ。」

何度、何度ツナにこの言葉を言っただろう・・・

中学の時も、高校の時も、ツナがイタリアに行く時もボンゴレの島で出あったと時も、交渉の時も、何度も、何度も貴方に別れの事を言った。


「またね。」


そう言いたかった。


自分の屋敷の近くに来て、自分の置かれてる立場が甦る。

ボンゴレの部下がアルジェントを襲撃していた。

眼の前で自分の部下が傷つくのを見て、また、人を傷つけた。


草むらに隠れている敵を撃ち殺して。

襲いかかって来る敵を切り倒して。

傷つけて、傷つけて、傷つけた。


自分の着ている服が真っ赤に染まるまで、何人もの命を奪い去った。

何も考えられない。

考えれない。


弱いから。

私は弱いから、誰も傷つけずに誰かを守る事ができない。


たとえボンゴレに敗北しようと、私は闘わなければならない。


アルジェントを背負うと決めた限り・・・


私はボンゴレ、ドンを・・・

ツナを殺すしかない。


3日後、此処は戦場と化すだろ。
沢山の人が死んで、私の家族はいなくなる。


初めて本当の自由になる。

繋がれた鎖が壊される。

なのに、全然嬉しくない。


その枷が外れても意味がない。

愛する人がいない世界で、生きても意味がないからだ。

あんな母親でも、同じ。


私は弱いから、今もまだ・・・

大っ嫌いな母親が大好きだ。

ファミリーをの為に働く母さんが大好きだった。
憧れだった。


ああなりたいと、私は思った。

強くなって母さんの様になりたい。

家族を、守りたい。


どうして変わってしまったのだろう?





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