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泣いたっていいんだよ





『止めてください!!』 
『やめて!』      
『キャああぁ!!!!』 

どうして私は紅いの?  
どうしてみんな私を必死に止めるの?

なんで弟は泣いているの?
どうして、足にしがみ付いて足止めするの?

―‐ああ、これはあの時の、、

我を忘れて…

『やめて!!!やめてよ!!』


離せ、離せ


振りほどくたびに、流れ落ちる冷たい雫、濡れた袖が足に抱きつく。

小さな体で、何故止める?


ああ、ヤダ。
その手を離せ、ワタシがあの人を殺らないと、駄目なの―…



『お願い!やめて!有里ねぇ!』 


いい加減にして!!!  
あんたには解らない!!!



ワタシは、     
ワタシは、     


ただ、黒い世界も、白い世界も、好きだっただけなのよ…


握った拳銃は、     
弾きがねが重い、    



泣き叫ぶ、愛する者、  
家族と言う繋がりで結ばれた者、
敬愛するファミリーの思い、それは、は弾きがねよりも重い物だった。




眼の前で弱りきって血だからけの母を見て、情がでるなんて、、、


ファミリーに死を背負わせる事なんて、、


したくなかった―‐・・・



でも、
憎くて、
自由を奪った、
帰る場所を奪った、

我母親が憎い。



あいつを消さないと、此処も、ファミリーもいつかこいつに消されてしまうんではないかと思うと、眼の前に居るのは、母なんかではなくて、ただの、敵で。



ワタシからすべてを奪う、邪魔者にしか見えなくて。


こいつさえ消せれば、どうでもいいと思った。


『駄目ぇえぇえぇえぇ!!!
有里ねぇ―‐―――!』  


そう叫んだ弟に私は―・・・

―‐―‐バンっ     




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