いつ入って来たのだろうか。 本当にこいつは気配がないからよくわからない・・・。 雲雀さんが飛ばした資料を見れば彼女にとって母親は、ただの自分を繋ぐ鎖。 罪悪感で一杯だった。 どうして、ボスになったのか・・・ 大切な人を、 また、失いたくなかったから。 大切な人を守りたかったから。 大切な人を傷つけたくなかったから。 大切な人を、、、裏切りたくなかったから。 でも、彼女にも捨てきれない日々がある、自分が自分で居られる居場所があった、、 なのにどうして、彼女がイタリアに戻って来たのか・・・。 それは、人質を取られたからだ。 その中に2年前まで俺達も入るんだ・・・ 「どうやら、あいつの母親はあいつが戻って来なければあいつの親友や友人、知りあった人すべてを殺す気だったみたいだな。 実際、5人殺されたんだ。」 「え!?」 「あいつの、高校の時のクラスメートだったらしいぞ。殺す前と後、手紙が送られてきたらしいからな。」 「そんな、それじゃあ脅して・・・」 甦る有里の俺達に会った時の安心した顔。 「そうだぞ、そうすれば有里は必ず自分達の元に戻って来る、そう考えていたんだろう。」 「で、案の定戻ってきたと。」 「帰って来た時凄かったらしいぞ。屋敷ぶっ壊して、母親と大喧嘩したらしいからな。」 ・・・彼女ならやりかねない。 「大丈夫だったの!?」 「親子喧嘩の度を過ぎてな。 母親に止どめを刺そうとした時、 姉と義弟と部下が楯になったんで その場は治まったんだ。」 「有里辛かっただろうね。」 「だろうな、殺したいほどの憎い奴が眼の前に居て、足に泣きながらしがみついて自分の名前を呼んで、必死に止める従弟いるんだ。」 「トラウマだよね。」 「ああ。」 彼女をこのままにさせていいのだろうか。 |