ねぇ。
君は一体どうしたの?
何があったの?
「有里・・・一体,」
「違う・・、もう、違う!!」
「違うって・・?」
何故?
如何して此処に戻って来たの?
何が違うの?
「もう、いないの、あの頃の私なんかいないんだよ、」
まるで、自分に言い聞かせるように、、
「――もういないのよ...」
そう言って君は、自分を消したんだろうか。
何を悔やんで、
何を考え、
何を思い、
君はその答えを出したの?
有里がそこに立つためには、俺達との過去は邪魔なの物なの?
君は冷たい眼で、また、何事もなかったかのように引出しから書類を出し、俺の前に置く。
その紙はすべてイタリア語で書かれていて、アルジェントのマークが、ついていた。
俺の前に座りアルジェントのボスとして君はこの場で有り続ける。
「そこにサインして、とっとと帰って。」
コーヒーを飲みながら、優雅に君は言う。
そこに昔の君の面影はもうない。
「・・・っ。」
俺は、どうする事もできなかった。
どうしたらいいのだろう。
俺は、このまま彼女とさよならをして、いいのだろうか?
「?」
イタリア語が得意ではない、てか、文が得意ではない山本はこの紙に書かれている事を、理解していない。
此処にはもう、アルジェントに金輪際近づくなと書いてある。
これ、にサインすればもう二度と係る事はないだろう。
彼女ともこれで最後だ―・・
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