俺の問いに答えたのは部下でもなく、戻ってきた有里でもない、彼女に似たおばさんだった。 そう、彼女の母親―… 「あの子が戻ってくるまで少々待っていただいてよろしいですか?すぐ戻って来るので」 そう言った有里のお母さんはにっこり笑い、俺達の前の椅子に座った。 「ごめんなさいね。せっかく来て下さったのにボンゴレのみなさん。いいえ、沢田綱吉君」 「「「「!!」」」」」 優しい顔で微笑む小母さん。 それはまぎれもなく自分の娘の友人を迎えるようだった。 「何故。俺の名前を?」 「あの子がこの家を出た10年間のうち…貴方は7年間あの子といたから。そのまわりのみなさんも」 10年間?10年間彼女は…どうして日本に? ずっと…隠してきたの? 「それに私はみなさんに感謝しているんですよ。彼女が戻ってきてくれたのは貴方達のおかげなんですもの」 この人は何をいってるんだ? 「俺達のおかげだとッ?」 そう声にだした獄寺君はきっと苛立っているんだ。 「えぇ。皆さんのお陰ですよ。母親として本当に感謝しています」 「俺達は何も「ママン!」 勢いよく部屋が空き、そう言って小母さんに抱きつく女の人。 でも、抱きついたのは有里ではなく、有里の姉だ。 「無事だったのね。よかった」 そう言って彼女の頭を優しくなでる小母さん。 似てないな… 有里は人前で泣いたりなんかしない… ―ギイっ と今度はドアがゆっくり開いてはいって来たのは有里だった。 確かに早かった、彼女が席をたって15分だ… 「おかえり。よくやったは」 そう言ってがんばったと、褒める母親。 その眼は心配など一つもしていなかったらしい。 姉と妹、これほどまでに小母さんは見る目が違う。 ―バンッ!!「「「「「「!!」」」」」」 一発の銃声、焦げくさい匂い。 捉えたのは… |