銀新




「なぁ初キスは何味だと思う?」

銀さんはまぁそれはいつも通りにソファでだらしなく寝そべりながらジャンプを読んでいたと思ったら、いきなり変なこと言った。




「は?」

「だーかーらァ、キスの味は何味だろうねって言ってんの」



チラリと振り返ったら銀さんはこちらを見ており、至ってその顔は真面目だった。
時々みせるその鋭い瞳からは逃げられなくなる。
やっぱりちゃんと答えるべきなのか。洗濯物をたたんでいた手を止める。



「ま、まぁよく言いますよねレモン味だなんて。だからそうなんじゃないですか?」

「あんな酸っぺェもんはムリムリ、俺はパフェ味がいいよなァ」

「なんですかそれ、結局甘いもん食べたいってだけじゃないんですか?」


あれバレちゃった?と笑う銀さんに、いつもの銀さんだとどこか少し安堵しつつ止まっていた手を再度動かす。






「新八」


耳元で囁かれる低い声。
いきなりの事に一瞬ゾクリとしたがすぐにこの声の主がわかり振り返る、刹那。


(ちゅっ)



「え、」

「もう一度聞くぞ?キスは何味?」


今、もしかして。新八は顔が徐々に熱くなるのを感じた。間違いなく真っ赤じゃないか。
うわ恥ずかしいと俯くと後ろからギュッと抱き締められて先ほどのように耳元で名前を呼ばれる。

瞬間。彼からほのかに香る、あの独特の甘ったるい匂いが。




「…いちご牛乳ですか」

「そーゆうこと」



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ありがちなキスネタ。
両想いなのに一歩ふみだせない感じの2人。それ踏まえての銀さんは確信犯です。


あきゅろす。
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