頂き物小説
いぬ。D
「じゃあ、ボク帰らなきゃ」

 あの道で、ヒロトはそう言った。
 あたしは、俯いてしまった。

「奈希ちゃん?」

 そんなあたしを心配してか、ヒロトがあたしの頭を撫でる。

「………なか、なおり」

「え?」

「仲直りは……早いほうが、いいんだよね」

 沈黙が、流れる。
 ヒロトは答えてくれなかったけど、それでも居てくれるだけで安心した。
 もしかしたら、もう居ないかもしれない。と何度あたしは逃げただろう。
 でも、もう逃げない。
 あたしは、ぐっと顔を上げて、ヒロトに言った。

「ついてきて」

 ヒロトは優しく微笑んで、頷いた。




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