頂き物小説
いぬ。B
「奈希ちゃん、さっきオトモダチと喧嘩していたでしょう?」
どきり、とする。
「……見てたから」
ヒロトは曖昧にほほえんだ。
そう、あたしは友達と喧嘩した。
「言い方が、冷たいんだって」
ただ、あの子の言葉に【ふ〜ん】と返しただけなのに。
「……奈希ちゃん」
「何よ」
「仲直り、してね? 奈希ちゃんはちゃんと、心の中でわかってるから。どうすればいいのかって」
仲、なおり。
早いうちの方が、仲直りしやすいのをあたしは知ってる。
「……わかった」
「うん! じゃあ、明日会おうね! ばいばい」
「ばいばい………」
一人になって、あたしはつぶやく。
「仲、なおりかぁ…」
もう一人、仲直りしたい相手が、この道の向こうにいる…。もしかしたら、もう居ないかもしれないけれど。
「………」
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