A Short Story.
ある日の出来事
目の前に広がるのは一面の青。
冷たくもなく暖かくもない風が自分の頬を掠め、髪と制服を靡かせる。
授業をサボるのは楽しい。教師の言う事は全てつまらない。誰もいないこの屋上が自分にとって1番の場所だ。
太陽の日差しが眩しい。私は自然と目を細める。その時、ふと声を聞いた。なんとなくその声の方を見た。そこにいたのは男子生徒と女子生徒だった。顔までは見えないが性別はちゃんと分かった。
まさか自分以外にサボる人がいるとは…。でもさっきチャイム鳴ったかも…。
2人はずっとその場所を動かない。大方の予想がつく。きっと告白をしているんだろう。どっちからか分からないけど。
あ。手繋いだ。
上手くいったんだ。
なんとなく2人の事を見ていた。その時。
「…ウソ…」
不意に2人の顔が見えた。女子生徒の方は自分の親友だった。
男子生徒の方は自分の幼なじみで好きな人でもあった。
ガチャンと大きな音が響いた。
この屋上はまた自分1人になった。
私はまた空を仰ぐ。

初めて屋上(ここ)が嫌いになった。

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あきゅろす。
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