NandS
其の5
青ざめた誠一が七海に引き摺られていくのを見守りながら羽山公太は呟く。
「誠一の不幸指数今日のトータルは……おぉ!18かぁ〜。ここ1年、少なかったからなぁ〜。これから又、楽しめそうだ」
公太の手にあるメモ帳には小学校、中学校、そして、高校と書いてあった。それぞれの文字の隣には数字がびっしり書き込まれている。そのメモ帳のタイトルは【誠一の不幸指数】とあった。


公太が楽しくメモ帳に書き込んでいたその頃、七海と誠一は仲良く……語弊があるが、とりあえず仲良く駅ビルにあるハーゲ〇ダッ〇のお店に来ていた。
「ん〜〜!美味しぃ〜」
「俺は悲しい」
「最高だわぁ!誠一。今度はコレよっ。このチョコチップにバニラとペパーミントの3段乗せね、カップは嫌よ、コーンだからね」
「へいへい」
「返事は一つで結構、ほら、さっさと買いに行く」
「ゎかったからっ」
渋々ながら誠一は言われた通り買いに行く。どんどん軽くなっていくお財布に涙ぐみながら。

何で俺が七海にハーゲ〇ダッ〇奢んないといけねぇんだ?

誠一の真摯な問いに答えをくれる者はなく、ただ哀れみの視線だけが向けられていた。

理不尽すぎるっ!!何でなんだぁ〜!!

心の叫びは誰にも届かずただ誠一を虚しくさせるだけだった。
 一方、七海は野望どおりにハーゲ〇ダッ〇を頬張り大満足していた。
「ん〜〜っ!美味しぃ〜」

[前へ][次へ]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!