NandS
其の4
ガタンガタンガチャ
ガタンガチャン
「めんどくせー…」
誠一は今、入学式の後片付けをしているため椅子を畳んではしまい畳んではしまいという行動を繰り返していた。勿論、めんどくさいと嘆くのは誠一だけではなく二年全員が嘆いていた。
「つーかなんで七海がこの学校来てんだよ!あ゛ーマジでこの先俺の平凡が〜!!」
「ククッ…誠一の不幸指数4ってトコかな♪」
「またお前かよっ!お前がいるだけで俺は不幸だよ!」
「冷た〜い、せいちゃんv」
「だからせいちゃんって言うなよっ!それに語尾に『v』付けんなよ!キモいから」
新学期早々、誠一と公太のコントに慣れてしまった五組の生徒達は気にせず椅子を片付けていた。
「(早く終わんねーかなー)」
誠一は片付けながらも早く終わる事を祈っていた。

さて、その頃七海はというと…。
「誠一まだかしら。まぁ片付けてんだから多少は遅くても仕方ないか…。でも、クラスでの失態は誠一のせいなんだから後でハーゲ○ダッ○沢山奢ってもらわなきゃ!!」
道行く人々は七海の独り言に時々振り返りながら歩いていた。そんな時、七海の耳にふと聞き覚えのある声が聞こえた。
「ったくお前ひっつくの止めろよな!!」
誠一だ。
七海は周りの目も気にせずニヤリと妖しい笑みを浮かべるとトコトコと誠一の所へ歩いていった。
「やっほーせいちゃん☆」
顔を青ざめながら七海のいるであろう方向を見た。
「七海…」
明らかに顔が引きつっている。誠一の隣にいた公太は嬉しそうに誠一の顔を見た後七海を見た。
「(不幸指数5っと)七海ちゃん久しぶりだね!元気にしてた?」
「(相変わらず不幸指数数えてんのね)こうちゃんじゃない!勿論元気にしてたわ!!ところで、その青くなった生きた屍借りてもいいかしら?」
「ホントはもっと楽しみたかったんだけど…、七海ちゃんの言う事だからしょうがないね」
「クスッありがとv」
生きた屍扱いされた誠一は逃げる用意をしていた。
「せいちゃん?」
「(ビクゥッッ)」
あっけなく捕まってしまった。

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