短冊集 ☆望みのままの花占い(カレカノ) 二人は幼なじみ。小さなときからよく一緒にいる。 彼はあまり社交的ではないことから、みんなから堅物だと言われている。彼女はそんな彼を振り回すことから、みんなから女王様だと言われている。 今日は二人で河川敷へ。彼は草むらの上で目をつむりながら寝そべっている。彼女は彼の横で花占いをしている。 また一つ、また一つ、彼女の周りには無残に散った花が増えていく。花占いを始めたときのテンションは鼻歌まじりの勢いだったが、数本終わった頃には一変してしまった。 何本も、何本も、どれだけ占っても自分の望む結果が出てこない。そこで彼女は最終手段をとることにした。 「好き、嫌い、好き、嫌い、……好き、好き、好き、好き!」 全ての花びらが落ちた後、彼女は歓喜の表情をしながら両手で頬を押さえた。その顔の輝きっぷりと言ったら表しようがないほどだ。 「おい?それ、花占いの意味あるのか?」 横の彼がむっくり起き上がり、平常運転の彼女に忠告した。 [前へ][次へ] [戻る] |