●そんなこんな小話●
ある夏の日のお話(その2)
【「心霊特集」を見た、その夜】
【真っ暗な家の中、真っ暗な和室。皆が健やかな寝息を立てている横で、1人、うなっている者がいた】
影虎(うーうー……どうしよう…)
影虎(眠れないよぅ…)
【影虎は、すぐ隣で寝ているコージを見た】
コージ「んごーっ、ぷしゅるー、…んごー…ぷすーん…(豪快な寝息)」
影虎(柏Qてるー!幸せそうによだれ垂らして寝てるー!)
影虎(うん、そうだよ…幸次はこういう人だったよ…。ああいう「怖い」って結構すぐ忘れちゃうんだよ…いいなぁ、便利だよなぁ…便利に出来てるよなぁ…!)
影虎(うぅ…困ったなぁ…)
【頭を抱えてうずくまる影虎】
てしてし
【影虎は誰かに背中を叩かれた▼】
影虎「っ!!!!!」
ゆさゆさ
マロン「……影、起きてるんでしょ?」
【背中を叩いたのはマロンだったようだ。胸をなでおろし声のする方へ振り向く影虎】
影虎「…なーんだぁ、マロンかぁ…」
マロン「………影、アンタお水飲みたいんじゃない?」
影虎「…………へ?」
マロン「アタシ、付いてってあげてもいいわよ」
影虎「…え?でも俺…」
マロン「そうね、お水飲んだらおトイレも行かなきゃダメよね。うん、そうよね」
影虎「…………………………」
マロン「………何よ…。行かないの?!」
影虎「ううん、行くよ。お水飲みたいもん」
マロン「でしょ?!おトイレも行かなきゃね!」
影虎「うん、そうだね」
【影虎は立ち上がって、リビングへ向かってゆっくりと歩き出した】
【その影虎の後ろを、付かず離れずマロンがついてくる】
影虎(…「お化けなんていない」って言ってたのに)
【影虎だって、時々はお兄ちゃんなのだ】
※※※※※※※※
ツンデレな妹と、天然な兄。
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