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二次創作/夢
私欲を満たしたいならばそれ相応の力を持て。弱者救済の鐘は訪れる事は無いと思え。誓え、強者となる事を。



「自身を過大評価するつもりはありませんが、私は日本有数の稼ぎ頭です。その稼ぎはどのように、って?開発ですよ、開発。昔から探究心が絶えなくてですね。

私は、この世に自分の知らない分野があるならそれを知ることに全力を注ぎたい。其方はスポンサーが多くほしい…そうですよね?」





「ならば、交渉だ。
いや…そちらが断ることはまず無いだろう。これはそちらにとってメリットしかない話だからね。


―…私をただの二十歳の若造とみなすか、莫大な資金を投入してくれるスポンサー候補とみなすか…全ては貴方次第だ。城戸司令」





























「よし、じゃあ今月は私が稼いだ四割…五百万を開発室に投入するとしよう」


「なんという軽さ!それ一般会社員の年間給料上回ってますよ!?」


「なに、気にするな根付さん。
私が持っていたところで人の命は救えまい…どうせなら有効活用した方が良かろう?なんなら広報にもまわして新たなCMでも作るか?それもまた良い」

「城戸司令、岸川はこう言っとりますが…」


「……それで良いなら好きにすればいい。ボーダーの益になるならば私は構わない」


「ではそのように。私は開発に戻ろう…ああ鬼怒田さん、バッグワームの改善の件なんだが」


「ああそれか…
ちょうど良い、他にも頼みたいことがある。必要書類を揃えて開発室に来てくれ」


「了解した」




会議室を出て、本部に設置してもらった特別開発室(自身専用の部屋)へと向かう。

今月も、製品の著作権者である自分に使用料等が振り込まれる度に溜まりに溜まった金を、ボーダーに向けてばらまいてやった。使わないものを持っていても仕方がない…朔はそういうスタンスなのだが、周りがその感覚に慣れるには暫くかかりそうだ。
代わりに、探究心をたまらなくくすぐる未知の「トリオン」について研究・開発を行い、その内容を全て開発室へと提供している。まあつまりは、その知的好奇心を満たすためだけに突撃隣のボーダー本部をした結果であった。




























人は、彼女を天才と呼ぶ。


ある人は、彼女を非凡だと表現する。


またある人は、彼女を変人だと揶揄する。


これら全てはまごうことなき事実であり、岸川朔を構成する成分である。彼女もまたそんな自分をよく理解した上、二十歳という若さで世界を股に掛けている人物だ。そんな奴が大物で無いはずが無い。

しかし彼女も人の子だ…笑い、涙し、時には怒ることもある。
大人びすぎているこの女性が、ボーダーという特殊な組織の中でどういう風に過ごしていくのか。




―…それは、貴方の目で確かめてほしい。




























「私は財産を持っている。私はこの財産を自分のために使ってはいるが、それが結果的に大衆のためになると知っているからそういう使い方をするのさ。もとを辿れば、今ある財産は私欲で開発した物を大衆が評価してくれた結果の産物なのだから。

私は開発品が評価されるだけで十分なのさ。いらない物は還元するに限る…中々良いサイクルだろう?」


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あきゅろす。
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