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銀魂
純粋な優しさとその裏(沖→新)

今日はスーパーの特売日だからみんなで買い物に行きたかったのだが、銀さんは仕事で神楽ちゃんは遊びに行ってしまって居なかったため、仕方なく1人での買い物。
「重たい…」
両手に2つずつ持っているスーパー袋はすべてパンパンに物が入れられている。
「神楽ちゃんが帰ってきてから行けばよかった…」
只今、激しい後悔中。

「あれ、万事屋の眼鏡じゃねぇかィ」
「…沖田さん?」
公園の前を通ったとき、公園の中から声を掛けられた。
「重そうだねィ。…1人かィ?」
「はい。銀さんも神楽ちゃんもいなかったので」
僕が苦笑すると沖田さんは顔をしかめた。
「帰ってくるまで待ってればよかったのに」
「いつ帰ってくるかわからないし…」

急に右手が軽くなる。
横を見ると今まで僕が持っていたスーパー袋が沖田さんの手に握られていた。
「だ、大丈夫ですよッ!
お仕事中でしょう?悪いです…」
「心配はいらねェや。今は休憩中だったんで」
そういうと沖田さんは僕の荷物を肩に担ぎ、そのまま万事屋の方へ歩き出した。


純粋な優しさとその裏
 
「で、そのとき銀さんが…」
「さっすが旦那だ。やることが違う。で、どうなったんで?」
意外に聞き上手な沖田さんについ僕も話が弾む。
「ちゃらんぽらんに見えてやるときはやるんですよね、あの人。そこがかっこいいと言うかなんと言うか…まあ、かっこいいんですけど」
「あぁ、旦那はかっこいいでさァ。男が惚れる男でィ」

赤信号に立ち止まる。
「アンタは本当に旦那が好きだねィ」
唐突に沖田さんが呟く。
「え…」
顔に熱が集中する。
落ち着けよ、僕。
今の沖田さんは変な意味で言ったんじゃなくて…。
「どうした…」
黙ってしまった僕を不審に思ったのか、沖田さんが振り向いた。
相変わらず真っ赤な顔をした僕と目が合う。
沖田さんは目を見開いて、開きかけた口をそのままに制止した。

信号が、変わる。
人の波が流れだし、僕らはその中で動けずにいた。
「沖田さん…信号変わりました。行きましょう?」
やっとの思いで沖田さんから目を逸らすと、真っ赤な顔を下に向けて無理に口を開いた。
「…ちょっと此方来なせィ」
「え?ちょ、沖田さん!」

僕の言葉に我に帰った沖田さんは僕の空いた方の手を引っ張って路地裏の方へと歩く。
「ちょっと!何処行くんですか!?」
「うるせェ。黙って歩きなせェ」
有無を言わさぬ沖田さんに僕は口をつぐんだ。

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「…沖田さん…此処は?」
暫くして辿り着いたのは小さな廃ビル。
そのビルの一階を迷わず突き進む沖田さん。
僕は入りたくなかったけど、沖田さんに手を引かれているので抗えない。
廊下の突き当たりの部屋、そこのドアを足で行儀悪く蹴り開ける。

沖田さんは僕をその部屋に引きずり込むと、壁に押し付けた。
「痛ッ…」
痛みに耐えつつ沖田さんを見上げると目が合ってしまう。
「沖田さん…?」

突然、噛みつくようなキスをされた。
何度も、何度も、角度を変えて噛みつく。
暫くして顔をあげた沖田さんと再び目が合う。

「…ッ!」
沖田さんの目は、妖しく光っていた。



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