[携帯モード] [URL送信]

銀魂
想いの先は(沖→土銀)


俺はアンタが大好きでさァ。
ずっとずっと。
そりゃあもう、下の毛も生えてないガキの頃から、ずっとアンタだけを見て、アンタだけを想ってきたんですぜ。

だけどアンタは姉上のモンだ。
だから俺は我慢してた。
気持ちに蓋をして、万が一にもアンタが怪我をしちまわないようバズーカの狙いもほんの少しズラして。
俺が本気で命を狙ってたら、アンタはもうこの世にはいませんぜ。

なのに、なのに。
何でですかィ?
姉上が死んだと思ったらすぐ、アンタは別の奴のもとに行っちまった。
俺よりもアンタを知らなくて。
出逢ったのだって、俺の方がずっと前だ。
目は死んでるし、いっつもヤル気無さそうだし、糖尿寸前だし、天パだし…。

そんな奴のどこが、俺よりもアンタのお気に召したんですかィ?
教えてくだせェよ!!

ねぇ、土方さん…?


想いの先は
 
「隊長!
起きてください!大変です!」
「何でィ。朝っぱらから騒がしい」
隊士の大声と共に叩き起こされた俺。
すこぶる気分が悪ィ。

仕方がないので俺を起こしてきた隊士を一発ぶん殴る。
「それが隊長…。万事屋の旦那が来てまして…」
「…旦那ァ?」

意外な単語に俺は眉を潜める。
時計を見るとまだ午前中、旦那の活動開始時刻にはなってないはずだ。
「追い返しゃあいいだろィ。あくまで旦那は一般市民、ここは俺たち真選組の屯所でィ」
じゃ、おやすみ。と再び布団に潜り込む…が次の言葉に俺は飛び起きた。

「いや…それが…。副長も一緒なもんで…」
「土方さんが!?」
「はい。2人ともかなり酔っていて…」
隊士の言葉を最後まで聞かず布団から出ると、寝巻きを脱ぎ捨てて隊服に袖を通した。

###

「土方さん!旦那!」
確かに門の前には泥酔した旦那を担いだ土方さんがいた。
土方さんも旦那ほどじゃねぇがかなり酔っている。

「あぁ、総悟か。悪いがコイツを俺の部屋まで連れてってくれねぇか」
「何があったんですかィ?お二人とも酒にそこまで強くもねぇでしょうに、こんな時間まで…」
俺が旦那を担ぎながら聞くと、土方さんは照れたように苦笑した。
「昨日は記念日だっつって夜から今まで店梯子してたんだよ」
「…記念日?」

旦那が軽く動いたので、肩から落としそうになり、慌てて担ぎ直す。

「俺等が付き合い出してから丁度一月なんだとよ。俺は知らなかったんだが」
「…気持ち悪ィことしやすねィ、アンタら。それに毎月祝う気ですかィ?その度に介抱するこっちの身にもなって下せェ」

俺が吐き捨てると土方さんが眉を潜める。
「総悟、何かあったのか?」
「別に。土方さんには関係ありやせん」
まさか、仲が良すぎるアンタらに嫉妬しました。と言えるわけもないので、適当に誤魔化すと旦那を土方さんの部屋に連れていった。



[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!