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銀魂
遊園地(沖銀+土・新・神/444・リクエスト)

「旦那ァ…」
「なぁに?」

栗色の髪の毛をさらりと撫でて、銀髪の男は優しく問う。
青年は目を閉じて口を開く。

「デートしやしょう」
大人は思わず口をポカンと開けた。
「…は?」
情けないことこの上ない顔である。







遊園地




「…と、いうことなんです。ついさっき銀さんは出ていきました」
「はぁ」
新八が一通り説明し終わると、土方は真顔で頷いた。

「で。俺にどうしろと?」
その問いには神楽が応える。
「私たちと一緒に尾行するネ!」

目をぱちぱちと数回瞬きした後、土方はゆっくりと感想を述べた。
「めんどくせェよ。折角の非番なんだから休ませろ」
懐から取り出した煙草に火を点け、灰皿を探す。

「どうぞ」
新八が台所から灰皿を取ってきて土方の前に置いた。
「あぁ。すまねぇな」

殆ど使われることがなく、新品同然の輝きを放っている灰皿に灰を落とす。
それと同時に神楽が身を乗り出した。
「トッシーはあの2人が気にならないアルか!?」

「全く気にならねぇな」
有害物質しか含まれていない白い煙を吐き出すと、さも興味なさげに言う。 
「誰が何処でナニしようが知ったこっちゃねぇ」

「…わかりました。僕らだけで行ってきます。留守番お願いしますね」
「はッ!?」
予想外の新八の台詞に土方は思わずソファーから立ち上がった。

子供たちは早々と出掛ける支度を終え、定春を連れていくかどうかで軽い口論をしている。
「おい…ッ。待てよ!」
口論がヒートアップし始め、手が出そうになった所で土方は2人の間に割って入った。

「…俺も行く」
「そう言ってくれると思ってました」
新八はにっこり微笑んだ。


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「沖田くん、待った?」
待ち合わせの時刻を1分オーバーして家康像の前に現れる銀時。
「待ちやした。気がオカシクなるくらい待たされたんで俺の失った時間、身体で返して貰いましょうか」

沖田の言葉を聞くとその場でくるりと踵を返す。
「じゃ、俺帰るわ」
それを慌て引き留める沖田。
「冗談でさァ。まったく…旦那は可愛いお人でィ」
「お前が言うと冗談に聞こえねーんだよ」

腕にまとわりついてくる沖田に、呆れながらも優しく返す。
「さ、早く行きましょうぜ!」
沖田は満面の笑顔で銀時の手を引いた。

「…沖田さんのあんな笑顔、始めて見ましたよ。あの人って笑えるんですね」
近くの茂みから顔を覗かせる3人。

「血が凍ってると思ってたアル!」
「あーあ。手、繋ぎましたよ。こんな場所で」
子供たちはなんやかんや言いながらもそれなりに楽しそうだ。

「ほら、追いかけねぇと見失うぞ」
土方は始終、引率の先生な気分だった。

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「旦那、ジェットコースター乗りましょう!」
「おいおい…走ったら転けるぜ」
絶叫系の機械が並ぶ区域まで走る沖田とそれを微笑ましく眺める銀時。

「…砂糖吐きそうネ」
その様子を見ていた神楽がしかめっ面で呟いた。
「あれだけ歳が離れてて、よくあそこまでイチャイチャできますね…」

悪態を吐きながらもジェットコースターの列へ向かう2人。
「…ジェットコースターの中まで尾行するのか?」
土方が2人に視線を寄越すと2人とも嬉しそうにはにかんだ。
「もちろん!」

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「楽しいアル、新八ィ!」
「また来たいね、神楽ちゃん」
土方は財布の中身を確認する。

まさか遊園地にガキ2人を連れてくるなど想定もしていなかったので、財布は極めて薄い。
しかし、キャッシュカードは持っているのでいざとなれば金を下ろすスペースくらい用意されているだろうと信じることにする。

「あ、次はコーヒーカップに向かいましたよ!」
新八の指差す先では大きなコーヒーカップがくるくると回る機械。
「私たちも早く行くネ!」
神楽は目的も忘れて駆け出した。

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「ぅえ…ッ」
「おぇ…ッ」
コーヒーカップを降りると土方と新八はベンチのそばに座り込んだ。

「何やってるアルか。男のクセに情けないヨロシ。…あ!銀ちゃんたち次に行っちゃうヨ!早く早く!」
神楽に急かされ、二人はよろよろと立ち上がる。
「…奴らフィニッシュに向かうつもりネ」
神楽の言葉に顔をあげると観覧車の列に向かう銀色と栗色。



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