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銀魂
支配欲(銀土/学生パロ)
「銀時…」
泥と血で汚れた俺の愛しい銀色。

「銀時…?」
無言で横たわるソイツの頭を踏みつける。

「なァ、返事くれェしろよ…、銀時」
小さく呻いて身動ぎすると健気に俺を睨み上げる。
こんなぐちゃぐちゃな状態でも微かな殺気を放つ瞳にゾクリ。

お返しとばかりに頭を蹴飛ばしてやった。
「ひ…じか…ッ」
掠れた声で切な気に俺を呼ぶ。
「何で…こんな…ッ」

「俺のことが好きって言えよ」








支配欲



自分で言うのも何だがまぁそこそこかっこいい部類に入る俺は昔からこの顔目当てに男も女も寄ってきた。

まるで光に集う蛾のように。
けれどコイツは。
コイツだけは違った。

目立つ銀髪を風にそよがせて、いつも壁の向こうから話し掛けてきた。
『土方くん、かっこいいよね』

正直、俺なんかよりコイツの方がよっぽどかっこよくて…綺麗だった。
その不思議な美しさに惹かれた俺は直ぐにコイツの虜になった。

友達というには深すぎて親友というには浅すぎる。
そんな俺たちの関係に嫉妬する奴等が出てきた。
俺の取り巻きの男女。

毎日のように俺に「好き」だと言ってくるコイツ等が鬱陶しくてならなかったが、同時にいつも満たされてもいた。
『みんな俺に「好き」だという。みんなが俺の容姿を褒める。回りの連中は全員俺の虜…』

だが、あるとき気づいた。
銀時ハ俺ヲ好キダト言ワナイ。

沸き上がる不満。
込み上げる欲望。
コイツノ声ニ好キダト言ワレタイ。

いつからかその思いだけが俺を支配するようになった。
銀時…俺の銀時。
お前は俺をどう思う。

「なァ銀時…。俺のこと…好きだよな?」
俺の取り巻きがコイツに暴力を振るうのを見ないフリする。
そしてぐちゃぐちゃになったコイツを見て1人、満足感にうちひしがれる。

嗚呼、幾ら血で汚れようと泥にまみれようと損なわれることのないその美しさ。
「なァ銀時…。言えよ…」

銀時が地面に唾を吐き捨てた。
「おま、え…。可、哀想…なやつ…だな…」
……俺が、可哀想?

「何言ってんだテメェ…?」
頭の横に屈み、顔を覗き込む。
今度は声を出さずにパクパクと口の動きだけで言葉を伝えようとした。

とても、簡単な単語。
か わ い そ う
「…ッ!」
カッとして思わず殴り付ける。

「お前の、心…が満…たされ、ることは…ないよ…」
銀時の右手が延びてきて俺の頬に触れた。
「お前、俺に惚れたろ…」

銀髪が揺れる。
血で真っ赤に染まった唇を歪めて笑う。
「俺が…テメェに…?」

繰り返す俺を憐れむような、慈しむような、そんな表情で見ると銀時は口を開いた。
「回りから…好か、れるあ…んたは、本当…に欲する…ものを…手に、入れることが、できない」
俺の…俺の愛しい銀髪が揺れる。

「俺、は…」
お前がずっと好きだった。
だからお前に好きだと言われたくて言って欲しくて…。

「俺の、愛は…重いぜ…?」
「…上等だ」
世界が変わった気がした。

銀時がよろよろと起き上がる。
そのまま傍にあったブロックの上に腰を下ろすと俺を呼んだ。
俺が銀時の前に跪くと銀時は優しい微笑みを浮かべて俺の輪郭をなぞる。

そして耳を疑うような台詞を笑顔のまま告げた。
「まずは足でも舐めてみるか?」
「…え?」

何を言われたのか理解できなくて、銀時を見上げる。
可愛らしく小首を傾げる銀時。
「おかしいな。聞こえなかった?足舐めろって言ったの」

戸惑いながらも銀時の片足を自分の膝に乗せると丁寧に靴と靴下を脱がせた。
そして両手で包み込むように大切に持つと小指から順に舌を這わせる。
「うん、そうそう。いいこだね」

銀時が俺の頭に手をのせて髪を梳く。
俺は取り付かれたように熱心に舐め続ける。

「銀時…銀時…」
うわ言のように銀時の名前を繰り返しながら。

「押し隠していた欲望が通じたんだもんな。これでこそ長い間我慢させといた甲斐があるよ」
優しく頭を撫でられる。
俺は恍惚として足に頬擦りをした。

「精々可愛がってやるよ。俺の可愛い土方くん」
銀時の手が俺の顎を掴み強制的に顔を上げさせられる。
「俺好みに変えてやるから…俺以外になつくんじゃねぇぞ」

ペロリと俺の唇を舐めて妖艶に微笑んだ。
嗚呼…俺は銀時のモノ。
俺はうっとりと銀時を見つめる。

瞬間、俺の支配欲は満たされた。




09,12,16
土銀を匂わせつつ…銀土!笑
土方を手懐ける為に態とやられっぱなしを演じた銀時。
策士!何


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